ブランドジュリエ Paris通信 Bonne Année 2021 !
Bonne Année 2021 ! 明けましておめでとうございます! 新しい年に希望を抱きつつ、2021年を迎えられたことと思います。 まだまだ見通しの効かない状況は続きますが、そんな中で私の出来ること、 すなわち皆さんの好きなパリの今をお届けしていきたいと思います。 本年もどうぞ宜しくお願い致します! さて、この年末年始、どう過ごされましたか? 移動やお集まりがいつも通りにできず、我慢が多かったかもしれません。 私は、クリスマス前にブリュッセルに住む次女に会いに行き、彼女のアパートで年明けまで2週間を過ごしました。 ご存知の通り、年末のヨーロッパはコロナウイルス感染者が増え、各国の首相たちが規制の舵取りに難儀しました。 クリスマスはキリスト教文化圏の人々にとって、日本のお正月のようなものです。 家族や親戚が集合してご馳走を囲む、1年で一番大切な日。 このタイミングでの外出制限(ロックダウン)は、さすがにあり得ません。 そのかわり、フランスでは夜8時以降の外出が制限され、イブの夜は例外でしたが、大晦日には適用。 厳しいパトロールが行われたようです。 幸い、ヨーロッパ内の移動は可能! ただし、ベルギー入国前にオンラインで滞在フォームを記入し、引き換えに届くQRコードを見せて入国、という一手間が。 プラス、ベルギー国内で頻繁に会う人の数は5人まで、との決まりも・・・ ともあれ、心配していた隔離がなかったので、思い切って出かけました。 次女のアパートに母娘3人が集合出来て、本当によかったです。 というわけで今回は、ブリュッセル滞在中に撮影した、素敵なカットをご覧ください! ブリュッセル、と言えば、世界遺産のグランプラス(市庁舎前広場)! 巨大なクリスマスツリーが登場し、御伽の国さながらでした。 フランスの作家ヴィクトール・ユーゴーが「世界で最も美しい広場」と称えたというグランプラスは、 まるでレース編みのように繊細な細工を施したギルドハウスに囲まれています。 夕方はこんなかんじ。 さすが世界遺産、迫力ありますね! 歴史も面白いですので、ぜひ検索してみてくださいませ。 写真左に写っている小屋は、クレッシュです。 イエス誕生のシーンを再現した馬小屋で、クリスマスツリーとセットで飾る、クリスマスの主役デコレーションです。 (といいつつそれがわかる写真はありません、うまく撮影できませんでした・・・) グランプラスからちょっと歩くと、ギャルリー・サンチュベール。 世界最古のショッピングアーケードなのだそう。 クリスマスシーズンに合わせ、金色の折り紙のインスタレーションがされていました。 ベルギー人アーティスト、シャルル・ケザンさんによる作品。 こんなに静かなギャルリー・サンチュベールを見たのは初めてです。 普段はショッピング客で賑やかなのに。 グランプラスを挟んで反対側には、かの有名な小便小僧! クリスマスはどんな衣装を着ているかな? と思ったら、基本に返ってか、はだかでした・笑 一時はサージカルマスクを付けたり、看護師のユニフォームを着たりしていたのです。 いつも人でいっぱいの小便小僧の周辺も、さすがに静か。 赤、緑、金の、伝統的なクリスマス飾りが、石畳の街によく映えていました。 トラムに乗って、次女のアパートへ。 車に混ざって路上を走るトラム、ベルギーって感じ!パリのトラムは専用レーンを走るので、風情が全然違うのです。 野菜、果物、魚、肉、チーズ、ワッフル、アジアフードの屋台etc・・・ スタンドの数にして、ざっと30ほどの小規模なマルシェですが、花屋さんのスタンドは3つもあります。 パリに比べてお値段お手頃。 ブリュッセルの人々にとって、花はとても身近な存在なのでしょう。羨ましいです。 ちなみに、ブリュッセルっ子に言わせると、このシャトランのマルシェはスノッブらしいですよ。 素朴に見えますがね・笑 ついでに、シャトラン界隈で見た、素敵なウインドーのお店写真をいくつか。 インテリアと雑貨のお店。 ブリュッセルには「家具屋さん」と「雑貨屋さん」、「洋服」、 「テーブルウェア」、「アクセサリー」などを集めたセレクトショップが多いです。 (パリの「メルシー」も、要はベルギースタイルをパリに持ってきたものだと思うのです。) イタリア食材店。コッテリと温かい感じ。 小便小僧のクリスマスデコレーションもそうでしたが、このコッテリ感というか、伝統的な感じ? パリとはまた違ったセンスを感じます。 これは朝の写真です。花屋さん。まるでファブリックのお店のよう! ブリジット・チョコレートには、主にベルギー産のチョコレートが集まっていました。 ビーン・トゥ・バーの専門店。 私はこれまで、ビーン・トゥ・バーのチョコレートを面白いとは思っていませんでした。 カカオ豆から板チョコを作る、クラフト系のチョコレートをビーン・トゥ・バーと呼ぶようです。 私はショコラティエのチョコレートが好きですし、パリのショコラティエは世界一だと思っています。 以前、パリとブリュッセルのショコラ取材を担当した際に、そう判断した次第。 でも、ショコラ業界も常に進化しているのだ、と、ブリジット・チョコレートの商品を食べて痛感! 頑固になってはいけませんね、色々試した方が視野も広がるし、楽しいです。 ブリジット・チョコレートは、お店の前を通って、あまりのかわいらしさに入店しました。 店先を通って足を止めるような魅力あふれるお店が、ブリュッセルにはたくさんあります。 https://www.facebook.com/BrigitteChocolate/ ここ、リュリュもそうでした。 奥まった場所にある、家具のお店。中はもう、素敵な暮らしのワンダーランドでしたよ! ロフト風の広々とした店内に、ダイニングコーナー、リビングコーナー、デスクコーナーなど、 演出も見事に家具が配置されていて、ここに住めたらどんなにいいだろうと思ったほどです。 モダンな中にも上質素材の温かみや、素朴な要素を感じさせるベルギーデザイン。 さすが、広い住まいがスタンダードなお国柄、いい家具がそろっています! Accueil 次女のアパートも広いです。ざっと100平米以上あるでしょう。ここに友達と3人で暮らしています。 シャトランのマルシェで買ったブーケは、15€(約1900円)でこんなに色々な花が束ねてありました。 しかも、私の滞在中まるまる2週間もちましたよ。 ブリジット・チョコレートで買った品々は、トリュフ、スペキュロス、そしてゾット・カカオの板チョコです。 「ベルギーチョコはぼってりしていて時代遅れ」と決めつけていた自分を反省。 ベルギーの国土は、面積にしてフランスのノルマンディー地方と同じくらいだそうで、かなり小さな国だといえます。 それでも魅力はいっぱい! 私はブリュッセルとアントワープ(とブルージュ)しか知りませんが、どちらも暮らしたいくらい好きです。 パリからブリュッセルまでは、高速列車タリスで1時間ちょっと。 また旅行ができるようになったら、パリ滞在中にブリュッセル訪問、おすすめします! それではまた、健康第一で! アビアントー! Keiko SUMINO-LEBLANC パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者 1997年からパリに移住。パリでの結婚・子育てを経てフリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。また、翻訳家として単行本も共著。 Keiko SUMINO-LEBLANC パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者...
ブランドジュリエ Paris通信 雑誌「ボンシック」とコラボ!
雑誌「ボンシック」とブランドジュリエがコラボ! インスタライブfrom Paris 2020年12月19日、インテリア雑誌「ボンシック」のインスタライブを、パリから配信させて頂きました。 なんとこの大役、 実は当「ブランドジュリエ パリ通信」(https://www.blancdejuillet.jp/paris-blog/)をきっかけに実現したのです! ブランドジュリエオーナーの中川麗子さんと私の、アプリ上のやりとりを追ってくださっていた編集者さんが、 「中川さんと角野さんでぜひ!」とお声かけくださいました。 芦屋とパリを繋ぐ、コラボのインスタライブです! 私もとても楽しみでした!! が、私の準備不足で、最後にキラキラと光るエッフェル塔をお見せ出来なかったことが心残りです。。。 これを楽しみにご覧くださった皆さま、すみませんでした。 お詫びの気持ちを込めて、インスタライブ終了後のコンコルド広場の写真をお送りします。 ほんの5分待っただけで、こんなに風景が変わったのですよ。 コンコルド広場のオベリスクが深いブルーにライトアップされ、その上に雪が降ってくる光の演出です。 ルイ15世が作らせたコンコルド広場は、灯がともると、この世のものとは思えない幻想的な美しさ。 初めてここを車で通過した時の感動は忘れられません。 まばゆいコンコルド広場から眺めるキラキラエッフェル塔は、私がおすすめする1番の鑑賞スポットです!! (だからこそ、インスタグラムの最後にそれをお見せしたかったですー!涙) コンコルド広場を背に、シャンゼリゼ通りの眺め。 今年のシャンゼリゼ通りのイルミネーションは、去年に続き真紅です。ドラマティック! 遠く向こうに凱旋門が見えますね。コンコルド広場から凱旋門までは、シャンゼリゼ通りを真っ直ぐ一直線。 せっかく見えるので、つい歩いて行ってみようという気になりますが、凱旋門までは約2kmの距離があるので要注意です。 さて、この日のインスタライブは、クリスマスシーズンのパリをお見せすることが目的でした。 皆さんの大好きなエリアを選んで、 そこを歩きながら、クリスマスのイルミネーションやデコレーションを一緒に眺めました。 コースは、まずギャラリーラファイエット屋上からパリを一望してスタート、その後オペラ座前へ移動。 そこからラペ通りを歩き、ヴァンドーム広場へ。 ブシュロンやカルティエ、リッツの前を歩いて、サントノレ通りへ入りました。 そのまま進んでフォーブールサントノレ通りのエルメスのウィンドーを眺め、ロワイヤル通りを歩いてコンコルド広場へ! 通過した場所を遡ってお見せしますね。 まずは、サントノレ通りのディオールブティック。 ポーランド協会とも言われるノートルダム・ド・ラソンプシオン協会前の広場に、 なんともポエティックな電飾の気球が登場し、 その広場を囲むディオールとシャネルのブティックの壁面イルミネーションと相待って、 これまたこの世のものとは思えない夢の空間。 クリスマスならでは! ヴァンドーム広場のリッツ・パリと、カルティエ。 ホテル業界、観光業界、レストラン業界は、今年最もダメージを受けた産業です。 春の外出制限中は、リッツパリも完全休業していました。 現在もレストランは営業できませんが、その代わりにパティスリースタンドが登場しています。 宜しければぜひ、現在発売中のボンシック特別編集号「新しい生活様式でエレガントに暮らす」をご覧下さいませ。 この辺りのパリの現状をリポートしております。 カルティエのブティック前には、こんなに素敵な冬のテラスが! リッツ・パリとヴァンドーム広場のカルティエ、と聞いて、ダイアナ妃を思い出す方は多いはずです。 ご存命であれば、彼女もここに座って、クリスマスライトを堪能したかもしれませんね。 インスタライブでは、 ここヴァンドーム広場の私のイチオシ撮影スポットもご紹介しました。こちらです! ウエディングドレス撮影にピッタリ! という気がしませんか?! そしてギャラリーラファイエット屋上。 まるで初日の出を見る私たちのように、パリジャン、パリジェンヌたちが沈む夕日を眺めていました。 エッフェル塔とセットの夕陽です。 コロナウイルスに翻弄された2020年も、もうすぐ終わります。 来年になったら、もうこんな思いはしなくても済む、などとはこれっぽっちも思っていませんが、 やはり新しいページをめくる瞬間は、ついつい、希望を抱くものですね。 どうか来年は、安心して人に会い、 色々なところへ出かけ、計画をたてて前に進むことが出来ますように、と。 どうぞ皆さん、お元気で! 良いお正月を迎えられますよう! おまけ。 休業中でもクリスマス飾りのされたカフェ・ドゥ・マゴ。 お客さんはクマちゃんたちです。 Keiko SUMINO-LEBLANC パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者 1997年からパリに移住。パリでの結婚・子育てを経てフリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。また、翻訳家として単行本も共著。 keiko's paris journal <パリ通信 - KSL> パリのライフスタイルを更新中
ブランドジュリエ Paris通信 2020年、パリのクリスマス
2020年、パリのクリスマス 試練の2020年も、いよいよ師走。 パリの街に、クリスマス飾りが登場しています。 今年フランスの人々は、2度の外出制限を体験しました。 通算4ヶ月半もの間、外出のたびに許可証を携帯する生活を強いられたのです。 日頃から自由・平等・友愛の理想を掲げ、反骨精神逞しいフランス人が、 移動の自由を奪われて4ヶ月以上もおとなしくしていた状況を、 「本当は、フランス人は自分たちがいうほどには、自由を求めていない」 と分析した知識人もいました。 「外出制限を守ったのは、自由・平等・友愛の、友愛のため。 他のみんなを守るためにやったこと」とは、私の長女の弁です。 私も彼女の意見に賛成です。 何故なら、フランス人は団結するとなると、本当にガッツリと一つになるから。 その姿を、シャルリーエブド襲撃事件の後の 「共和国の行進」デモなどで、私も実際に見てきました。 友愛と連帯意識の強さで彼らにかなう国民はないだろう、と感じるほどです。 前置きが長くなりましたが、試練を通過した2020年に、 こうしてまたクリスマス飾りを見ることができる。ありがたいことです。 オスマン通りの街路樹に灯ったイルミネーションを眺めながら、 阪神・淡路大震災からの復興を祈念し開催された神戸ルミナリエを、 1995年に初めて見た人たちの気持ちを思いました。 今年もこのイルミネーションが見られた、 また以前の日常が戻ってきて欲しい、 また将来に目標を定めて頑張りたい、 また、また・・・「希望」は、必要最低限だと思います! 11月28日(土)、2回目の外出制限が一部解除され、商業施設が再開した翌日。 日曜日に撮影した、ギャラリーラファイエットのクリスマスツリーをご覧ください! 今年のギャラリーラファイエットのクリスマスツリーは、「クリスマスの旅」がテーマです。 てっぺんにはロシア風のオーナメント、もみの木をオランウータンがよじ登り、 アジアや中東のランタンが揺れ、いろいろな国を象徴する要素が盛り込まれていました。 そして今年も、30分ごとに音と光のスペクタクルが! オーナメントが動き出し、なかなか見応えがあります。 そうそう、クリスマスツリーの上を飛ぶ赤いプロペラ機は、 1919年にギャラリーラファイエットの屋上着陸に成功した飛行機への、オマージュなのだそうですよ。 当時はそのような飛行機の競技が盛んに行われていたそうです。 セーヌ川を渡って左岸へ移動し、ル・ボンマルシェへ。 ここは毎年のことながら、夢のように上品でシック。 師走ならではの活気や賑やかさはギャラリーラファイエットが1番だとしても、 優雅な気分に浸りつつ落ち着いてクリスマスプレゼントを選ぶなら ここ、ル・ボンマルシェでしょう。 ブランドジュリエのファンの皆さんは、きっとル・ボンマルシェ派では? 店内には去年に引き続き クリスマスツリーの森が登場していました。 今年はホワイトクリスマスですね。 アンドレ・プットマンがデザインしたエレベーターと相まって、なんとも幻想的です。 これを見るためだけでも、来店する価値があります! この日、久しぶりにル・ボンマルシェを見て気づいたのは、 アルチザン(職人)のいるスタンドが多いことです。 以前から、クリエーターの実演スタンドはありましたが、その数が増えたと感じました。 ここ、アトリエ・ポーラン は、made in Paris のアクセサリーブランド。 本当に、その場で、目の前で! ジュエラーさんがオリジナルのアクセサリーを作成してくれます。 素材は、ゴールドフィルドや18金。 予算に合わせて選べるのもいいですね! 最後に、私が住む庶民のエリア、パリ13区のコンフィズリー(甘いもの専門店)「ショコラティエ・ド・パリ」を。 11月の外出制限中の写真ですが、すでにクリスマス商品が並んでいました。 もちろん例年であれば、11月にクリスマス商品が並ぶのは当たり前のことです。 こういう昔ながらの店がなくなってしまったら、パリの魅力も半減することでしょう。 常々そう感じている者として、店主に感謝の気持ちを伝えましたよ。 日本の皆さんにとっても、今年は厳しい1年だったと想像します。 メンタルも、体調も、本来ではない違和感を感じながらの1年。 ついにワクチンが登場するようですが、とはいえ、劇的に状況が変わるでしょうか? ヨーロッパでは、まだまだ出口が見えない感があります。 2021年はどんな1年になるでしょう。 せめて、もみの木や門松の新鮮な香りで、いい「気」だけでも取り込みたいものです! 今、我が家には、手作りしたリース(のようなもの)があります。 もみの木に室内の空気を殺菌してもらって、2020年にお別れをします。 どうぞ皆さん、お元気で! それではまた、アビアントー! Keiko SUMINO-LEBLANC パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者 1997年からパリに移住。パリでの結婚・子育てを経てフリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。また、翻訳家として単行本も共著。 keiko's paris journal <パリ通信 - KSL> パリのライフスタイルを更新中
ブランドジュリエ Paris通信 10月のアルザス、マスネ蒸溜所とリースリングの葡萄畑
10月のアルザス、 マスネ蒸溜所とリースリングの葡萄畑 11月28日(土)、フランスの商業施設が営業再開しました。 10月30日から始まった2度目の外出制限は、こうして予定通り解除され始めています。 この調子でなんとか、クリスマスを迎えたいもの。 みんながそう願っています。 今回お届けするアルザス日帰り旅行は、 今年フランスが体験した2度の外出制限に挟まれた、10月の出来事です。 メゾン・マスネのご招待で、蒸溜所を見学するプレスツアーに出かけました。 アルザス地方、皆さんは旅行されたことがおありかもしれませんね。 美味しい食べ物で有名な土地です。 リースリングワイン、種類豊富なソーセージを煮込んだシュークルート、 クグロフというケーキ、などなど。かわいらしい景観も有名で、 ディズニー映画「白雪姫」の風景は、アルザス地方のコルマールという街をモデルにしていると言われています。 また、フランスでクリスマスマーケットといえば、 アルザス地方ストラスブールのクリスマスマーケットが一番有名。 このように魅力あふれる地方ですが、私はアルザス地方へ行ったことがありませんでした。 ドイツ国境で、遠いイメージがあったからです。 が、実は、パリ東駅からストラスブールまでは、T G Vでたったの2時間弱。 日帰りできる距離でした。 ストラスブール駅に到着すると、そこはブリュッセルやアントワープに似た建築。 やはり同じ文化圏ということでしょう。 ストラスブール駅は、19世紀後半の歴史的建築をガラス張りのシェルで覆った、 近未来感あふれるデザインでした。明るく開放的で、フランスの東の玄関口にふさわしい! ここから車に乗って、コルマール方面へ約40分ゆくと、メゾン・マスネの蒸溜所に到着します。 その道中が、ご覧ください! リースリングの葡萄畑が紅葉し、まるで黄金の絨毯のよう。 私たち日本人にとって、秋の紅葉はごくありふれた景色だと思いますが、 今回リースリングの紅葉を見て、心がしっとりと潤う気分を味わいました。 最も、この日の天気のせいもあったかもしれません。 残念ながら一日中雨でしたので。 でもその雨という要素を外しても、紅葉する山々は程よい湿度を心に与えてくれるように感じました。 そういう自然の要素は、人間の気質に大きく影響するかもしれませんね・・・ メゾン・マスネでは、かの「ポワール・ウイリアム」の製造工程を見ることができました。 中に洋梨の入ったボトルに、洋梨のオー・ドゥ・ヴィ(蒸留酒)を詰める作業です。 この洋梨入りボトル、どのようにして作っているのか不思議ですよね? なんととても単純に、洋梨の実がまだ小さい時に上からボトルをかぶせて固定し、 そのまま熟すのを待つのです。 シンプルなだけに、ロスも多いはず。 メゾン・マスネのベルナール・ボー社長に質問したところ、 「ボトルを10本固定すると、そのうちの4本が成功します。」 とのお返事でした。なんとまあ・・・ 「洋梨が完熟した時に収穫します。 オー・ドゥ・ヴィの中で洋梨は自分の持つ果汁を全て与えきり、 小さく硬くなります。その後は変化しません。」 つまり、いつまでも同じ状態で長持ちする、ということ。 「時々、この洋梨を食べようとしてボトルを壊す人がいますが、もったいないことです。 第一、カチカチに硬くて切ることもできません。 それよりも、飲んで量が少なくなったら、中の洋梨が空気に触れないように 新しいオー・ドゥ・ヴィを継ぎ足してください。そうすればずっと同じ状態で楽しめますよ。」 ボー社長のアドバイス、ぜひ参考にしてください! メゾン・マスネは今年150周年を迎えたとのこと。 今も一貫してファミリー経営、そして「オー・ドゥ・ヴィのオートクチュール」を作っていました。 なぜオートクチュールかというと、まず、生産規模がそうですし、手作業であることもそう。 原材料は絶対に妥協せず、看板商品の野生フランボワーズのオー・ドゥ・ヴィは、 本当に森に入って野生のフランボワーズを摘んでくるのだそうです! 野生フランボワーズを摘んで、それを発酵させ、蒸留して、オー・ドゥ・ヴィにする・・・ 想像するだけでもとんでもない作業。 一体どれだけの野生フランボワーズが必要なのでしょう。 今では野生フランボワーズのオー・ドゥ・ヴィを製造するのは、メゾン・マスネだけというのにも肯けます。 ちょっと説明を加えると、 例えばフランボワーズのリキュールを作るのであれば、ずっと簡単です。 リキュールは、焼酎のようなホワイトリカーにフランボワーズを漬け込むことで作れます。 が、オー・ドゥ・ヴィの場合はそのホワイトリカーそのものが100%フランボワーズなのです。 リンゴの蒸留酒はカルヴァドス、ブドウの蒸留酒はコニャック。 それと同じ。お分かりいただけますか? 蒸溜所見学の後は、山間のシャレーのレストラン「オーベルジュ・シェ・ギュット」へ。 アルザスだからシュークルートを食べるのだろう、 と、この日誰もが思っていたのですが、その期待はとても素敵な方向に外されました。 「オーベルジュ・シェ・ギュット」は、数々の名店で修行した若いシェフが地元に帰り、独立して構えたお店でした。 アルザスの幸を盛り込んだ、洗練されたお料理の数々。そのいくつかをご覧ください。 アミューズ(突き出し)は、クルミのジブレ(塩味のシャーベット)、ひよこ豆のクラッカー。 1つ目の前菜は、ローストした雑穀と、バターナッツかぼちゃのクリーム仕立て。 ワインはもちろん、リースリング! 2つ目の前菜は、2種類の卵料理。温泉卵と、カリッとフライにした卵。 メインに合わせるワインは、南仏の赤。 カモのローストは、干し草でスモークして仕上げました。 私はブロシェという川魚のクネル(ハンペンのようなもの)を。 クリーム、ドライ、生、と3つのテクスチャーのカリフラワーも素敵でしたー! チーズの前に、メゾン・マスネの看板商品、 野生フランボワーズのオー・ドゥ・ヴィをかけたシャーベットをいただきました。 食事の間にシャーベットを食べて満腹のお腹を楽にする、習慣というか、作法というか、 「トゥル・ノルマン」(ノルマンディーの穴)と言われるものです。 これで実際に、満腹のお腹が落ち着くからびっくり! チーズの盛り合わせは、2人分ずつ、こんなに品よくサーヴされました。 フランスでサーヴされるチーズの量は、大抵ものすごく多いのですが、 こんなふうに一口ずつでも十分ですよね。 チーズの盛り合わせには、メゾン・マスネのリキュール「ゴールデンエイト」を合わせて。 デザートは、まるでフルーツを卵白でまとめただけ、というくらいに軽くフレッシュなイル・フロッタント。 コーヒーと一緒にサーヴされたフィナンシエとパート・ド・フリュイも、全て、自家製です。 シェフと奥様。若いお二人に心からブラボー! お料理と同じように、レストランの内装もアルザスらしい自然の要素を保ちつつ、品よく洗練されていました。 シュークルートもいいですが、こんなふうに土地の食材を味わわせてくれるお店も、嬉しいですよね。 「オーベルジュ・シェ・ギュット」からの眺め、まるでハイジとペーターがかけて来そうでしたよ。 ニルスが乗りそうなガチョウもいて、なんとも心なごむアルザス日帰り旅行でした。 (ガチョウはもちろん、シェフに料理される運命ですけど・・・) メゾン・マスネの看板商品たちをお土産にいただきました! 野生フランボワーズのオー・ドゥ・ヴィ、 8年もののポワール・ウイリアムで作ったリキュール「ゴールデンエイト」、...
ブランドジュリエ Paris通信 アドベントカレンダーの季節
アドベントカレンダーの季節 コロナウイルスの影響で調子が狂いっぱなしの2020年も、もうすぐ年末。 例年通り、アドベントカレンダーがお店に並び始めています。 外出制限中ということもあって 今年はクリスマス商品の展開も自粛ムードが感じられますが、 それでも現在、商店のウインドーやスーパーの棚にはクリスマス商品が並んでいます。 面白いのは、クリスマスの「食品」は販売中でも、 クリスマスの「飾り」は待機状態ということ。 店に並んでいても、手にとれないように「立ち入り禁止」になっているのです。 確かに、「飾り」は必要最低限ではありませんが、なんとも切ない風景です・・・ そんな中、アドベントカレンダーは「食品」扱いということでしょう、堂々と販売されています。 子供たちが今年も、毎日クリスマスを楽しみに待てるのは何より! アドベントカレンダー、きっと皆さんもよくご存知だと思います。 12月1日から24日まで、小さな扉のついた箱型のカレンダーです。 扉を開けると、中にチョコレートや飴が入っているのですが、 最近ではコスメや香水の入ったアドベントカレンダーもありますね。 本来はキリスト教の習慣で、アドベントカレンダーの扉を毎日1つずつ開けながら、 子供たちはクリスマスが来るのを楽しみに待つのが伝統。 子供たちの笑顔と、家族団欒の情景が、目に浮かぶようです。 フランス語のウイキペディアによると、 アドベントカレンダーはドイツが発祥なのだそう。 もともとドイツには、クリスマスまでの24日間(または25日間) 毎朝子供たちに小さな宗教画をプレゼントする習慣があったそうです。 1908年、ミュンヘンの出版社が初めて 日付部分に小さな宗教画を掛けたカレンダーを発売。 1920年には初めての扉型が登場し、チョコレート内蔵型の誕生は1958年とのこと。 案外新しい習慣です。 せっかくですので、外出制限が始まる前の9月と10月、 プレス会で情報収集したアドベントカレンダーを2つ、ご紹介させてください。 まずは、DIYの要素が素敵な、ダロワイヨのアドベントカレンダー2020。 なんと、日付入りのカードが麻紐で結んであり、 これを自分で吊るして飾るデザインでした。 写真では、もみの木の房を添えた木の枝に吊るしています。 インスタグラマーが喜びそうな、ナチュラルなおしゃれ感! 老舗ダロワイヨの、新しいアプローチに感動しました。 もう1つは、ル・ショコラ・アラン・デュカスのアドベントカレンダー2020。 今年のクリスマスの新作チョコレートは、インカ産のカカオを使っているとのことで、 アドベントカレンダーのデザインもインカ美術がテーマです。 イラストレーターは去年に引き続きアガト・サンジェさん。 ここのチョコレート、特にプラリネは、私のイチオシです!! アドベントカレンダーは、カレンダーとはいっても日付がバラバラになっているものがほとんど。 「今日はどこかな?」と探すのも、楽しみのうちということでしょう。 こういう小さな遊び心も微笑ましい! 以下は、つい先ほど(2020年11月18日午前中)撮影してきたものです。 スーパーのアドベントカレンダー。 大手菓子メーカーはこぞってこの時期にアドベントカレンダーを発売します。 でもこの習慣、フランスで一般的になったのはいつころでしょうね・・・ 私が住み始めた23年前には、ここまで一般的ではなかった印象なのです。 スーパーのお隣のガーデニング専門店『トリュフォー』では、 2週間前には立ち入り禁止になっていたクリスマス売り場が公開されていました。 トラディショナルな赤を基調としたツリー、大人ムードのゴールドのツリー、 いろいろなツリーがあります。 どのタイプがいいかな〜と、見ているだけで気分も上を向く?! クレッシュもありました。 クレッシュは、イエス誕生のシーンを再現したもので、 正式なクリスマスツリーに欠かせない飾りです。 以前、我が家の子供たちが小さかったころ、 次女がシルバニアファミリーのハウスとフィギュアでクレッシュを作ったことがあります。 これはなかなか傑作でした。お勧めします! 『トリュフォー』にはエピスリー(食品)コーナーもあるのですが、 なんとボンヌ・ママンのアドベントカレンダーがありました! 大手メーカーでありながらも、子供だましではない素敵なレトロ感で、高感度なデザインですね。 アーティフィシャルのコーナーは、この通り、現在もおあずけ状態のままでした。 こちらは「トリュフォー」のウインドーの一部。 クリスマス、と一言で言っても、いろいろな解釈、いろいろな飾り方があるものですね。 さて、フランス国民がこのおあずけ状態から抜け出せるのは、予定通り12月1日なのか? それよりも早いのか、遅いのか?! サスペンスは続いています。 本当に奇妙な2020年です。 だからこそなおさら、この一年の締め括りをきちんとしておきたい、 という気持ちも強まるというもの フランスの人々にとっての節目の季節、 クリスマスが、今年も家族と共に過ごせる時間となりますように。 日本の皆さまもどうぞ、お身体大切に! それではまた、アビアントー! Keiko SUMINO-LEBLANC パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者 1997年からパリに移住。パリでの結婚・子育てを経てフリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。また、翻訳家として単行本も共著。 keiko's paris journal <パリ通信 - KSL> パリのライフスタイルを更新中
ブランドジュリエ Paris通信 再ロックダウン確定!
再ロックダウン確定! だからこそ、パリ歩きの思い出を・・・ 2020年10月28日のテレビ演説で、 マクロン大統領が2度目の外出制限を発表しました。 最初の外出制限が解除された5月11日から、2度目があることは想定内。 とはいえ、やっぱり、全然嬉しくありません!! 日本に暮らす皆さんは、一体フランスで何が起きているのだろうと思いますよね。 生活は、至って普通なのです。 私のように医療関係者の知り合いもいなければ、 身の回りに犠牲者もいない人にとっては、正直なところ、 コロナウイルスの脅威は実感の持てないもの。 第一、フランスは努力をしています。 マスクが義務になり、カフェの各テーブルには アルコールジェルとメモ(名前と電話番号を記入します)が置かれ、 バス停もアルコールジェルを設置。 人々はキスの挨拶も握手もせず、距離を保ちつつ生活しています。 日本人と同じように、家に帰れば靴も脱ぐし、手洗いも徹底しています。 それなのにどうしてこんなに、重症者が増えてしまうのか? 不思議でなりません。 一時期、人種的なことが言われたことがありましたが、 そうとしか思えないというのが私の感想です。 感染者が増えることは仕方ないとしても (PCR検査の数が1週間140万件と多いので)、 重症者を治療するベッドの数がギリギリに来ているというのは問題。 昨年12月時点、重症者を治療するベッド数は5,000床、 それを2倍に増やしたにもかかわらず、です。 なぜか? わかりません・・・ 第2波は、第1波より殺人的になることが予想されているだけに、 マクロン大統領は先手を打ちました。 その判断に、異論を唱える人は少ないでしょう。 ということで、気持ちを切り替えて、 これから12月1日まで続く見通しの2度目の外出制限を、 心地よく過ごす努力の方に集中したいと思います! 今私は、カフェでシャンパンを飲みながらこの原稿を書いています。 私と同じ考えの人は多く、店内には最後の晩餐を楽しむお客さんが大勢います。 テーブルの間隔は1,5メートル以上ありますヨ! さて、ではここで皆さんと一緒に、9月半ばのパリ歩きの思い出を振り返りたいと思います。 まずは、ギャラリーラファイエット屋上、 レストランTORTUGA(トルチュガ)からの眺め。 http://tortuga-paris.com オペラ座の後ろ姿を、こんなに間近に見られる場所があるなんて。 ああ、本当に、なんて素晴らしい! しかしこの体験も、またしばらくはおあずけです・・・ ギャラリーラファイエットからちょっと歩いて、フォーブールサントノレ通りへ。 芦屋ブランドジュリエのお客様は、きっとここでお買い物をするのがお好きなはず。 コロナ禍以降、観光客が減ったブティックは、どこもなんとなく静かな感じ。 特に、本来であれば常に大盛況のエルメスが、静かというのは不思議・・・複雑・・・ しかしこんな時でも、フォーブールサントノレ通りには 他とは一線を画すクリスマス飾りの予感がありました! 現代の空気を反映し、グリーンたっぷりのクリスマスの演出が準備中。 マクロン大統領も、フランス以外のヨーロッパ諸国の首相も、皆、 国民がクリスマスをまともに祝うことができるように、 今あえて厳しい引き締めに踏み切っています。 是非ともこの努力が成就しますように! そしてフォーブールサントノレ通りのこのクリスマス飾りも、 12月には予定した通りの美しい姿を見せてくれますように! せっかくですので、エルメスのウィンドーも。 パリ一と誉高かったエルメスのウィンドーディスプレイですが、 コロナ禍を受けてか、案外普通な感じ? お向かいも見てみましょうね。 シャネルなど。 そしてグッチ。 このブランドの、我が道をゆく感じはずば抜けていますよね! これが本当のゴーイン(強引)マイウエイ! パリ市の貸し自転車ヴェリブで移動して、ギャルリーヴィヴィエンヌへ。 1823年に建設されたパッサージュです。 ここも、芦屋ブランドジュリエのお客様には、お馴染みのパリ歩きコースでは? ギャルリーヴィヴィエンヌは、ブリュッセルのギャルリーサンチュベールと姉妹関係にあります。 どちらがお好きでしょう? 私は・・・うーん、悩みます! ギャルリーヴィヴィエンヌの方が、レトロに落ち着く感じ、 ギャルリーサンチュベールの方が、より高級な感じ、かな? ブティックのウインドーに飾られた洋服が、いかにもパリだなーという色合いでした。 パリの女性は、プルーンカラーがとても好きです。 そしてすぐお隣の、ノートルダム・デ・ヴィクトワール教会。 この日は、雨続きのパリには珍しい快晴でした。 明日からは、たとえ晴れてもこんな風にふらっと出歩けない事を思うと、 この日、パリ歩きをしておいてよかったです。 これからはステイホームにはなりますが、パリの様子をお伝えし続けますね! 皆さんもどうぞ、お身体たいせつに。 それではまた、アビアントー! Keiko SUMINO-LEBLANC パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者 1997年からパリに移住。パリでの結婚・子育てを経てフリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。また、翻訳家として単行本も共著。 keiko's paris journal <パリ通信 - KSL> パリのライフスタイルを更新中