ブランドジュリエ paris通信 ルーブル美術館
7月6日再オープンした ルーブル美術館へ! コロナ危機を受け閉館していたルーブル美術館が、 7月6日、約4ヶ月ぶりに来場者を迎えました! 人数制限があり、マスク着用が義務付けられ、あらかじめサイトから予約が必要とのことで、 アフターコロナのニューノーマルがこんな所にも見られます。 7月6日の再開初日の様子は、フランスの各メディアで報道されました。 通常とは違って観光客の姿はほぼなく(誰もが予想したように・・・)、来場者のほとんどがフランス人とのこと。 いろいろな制約を彼らがどう感じているのか? 気になりましたが、「空いていて見学しやすいです」 「入場も、絵の鑑賞並ばずに済むので、このシステムの方がいいですね」など、 意外にも好意的な意見が伝えられました。 これを聞き、「どうせ希望者殺到で予約できないだろう」と、はなから諦めていた私の気持ちも変わりました。 すぐにサイトを見たところ、十分予約できる状態! 即7月8日11時入場のコマを予約したのです。 当日、時間通りルーブル美術館に到着。 現在入場は1箇所のみ、正面玄関のガラスのピラミッドからになります。 いつもは長蛇の列を避け、地下のカルーゼル・ド・ルーブル側から入場する私ですが やっぱり正面玄関は高揚感が違います!! 入り口に、マスク着用や安全距離の確保を知らせるイラストと、アルコールジェルが設置されていました。 これもやはり、ニューノーマル。 さて、この日の私の目的は、モナリザに会うこと! 人数制限のおかげで空いている今だからこそ、 いつもは人だかりでじっくり鑑賞できないモナリザに会っておこう、という作戦です。 また、ルーブル美術館は巨大すぎて作品コレクションも豊かすぎて、いつもとても疲れてしまうのが悩み。 肝心の芸術鑑賞のエネルギーがなくなってしまいませんか? 現在は鑑賞できる場所も制限されているとのことなので、 それならいっそ私の方も鑑賞作品を絞り込もう、という作戦でもありました。 シュリー翼、ドゥノン翼、リシュリユー翼・・・3つのアネックスからなる巨大なルーブル美術館。 この日は迷わず、モナリザの表示に従ってドゥノン翼へ直行。 迷いがないのは余計なエネルギー消耗を防ぐ最良の策かもしれない、などと思いながら ずんずん進んでゆくと、目の前に・・・サモトラケのニケ! さすがルーブル美術館、目的のモナリザに到達するまでの道々さえもが、名作でいっぱい! という基本的なことに、改めて驚いた次第。 サモトラケのニケは紀元前200年頃の彫刻で、ルーブル美術館内の説明書きによると、 鑑賞のベストポイントは向かって右ななめ45度。 ダイナミックな躍動感と、肢体にまとわるヴェールの薄さ、これを石で! 実際に目の当たりにすると、その生々しさに圧倒されます。大理石とは思えません・・・ 反対サイドは、右サイドに比べると表現がシンプル。 というのも、もともとこの像が置かれた場所の都合で左サイドは建物に面し、 人々の目に触れないことが最初からわかっていた為に作家が時間をかけなかったから・・・ という説明が美術館内にありました。 とはいえ、私としてはこちらサイドの方が写真映えすると感じました。 なぜなら窓からの自然光が差し込むから。自然光のおかげで、細部まで鑑賞しやすかったです。 ベストポイントの方に窓があったら、なおよかったかもしれませんね。 先へ進むと、今度はボッティチェリのフレスコ画。 さらに先に進むと、ダヴィンチの絵画が並び・・・そんな中に、奇妙な絵がありました。 なんだろう? 気持ち悪いな。 そう思い写真を撮って、その場で娘たちへ送りました。 後でフランス政府公認ガイドの友人にこの絵の話をしたところ、 アンドレア・マンテーニャという作家の「美徳の勝利」という名作だ、と教えてくれました。無教養でお恥ずかしい・・・ 1502年の作品、「徳の庭から悪徳を追放する女神ミネルヴァ」とも呼ばれるとのことで、どおりで不気味な面々が・・・ 「マンテーニャは、見れば見るほど発見があって飽きない」というのが、そのフランス政府公認ガイドの意見でした。 私は見てすぐに「美しい」と感じられる作品を好んでしまいますが、 芸術愛好家や歴史家たちには、一筋縄ではいかないこういった作品の方が面白いのでしょう。 確かに見れば見るほど奇妙で、色々と考えてしまいます。「悪徳と言われても、不具者は悪ではないでしょう」など・・・ この先が、お待ちかねのモナリザの間! ちょっと並んで、真正面から対面しました。 こんなふうに間近で、真正面から鑑賞するのは、実に30年ぶりかもしれません! 「モナ・リザ」、不思議な絵画だと思います。 初めて見たときは、その小ささにびっくりしました。 暗い色彩の小さなこの絵を、どうして世界中の人々がパリに来てまで見たいと思うのか? モナリザさん、そんなに美人とも思えませんし・・・ が、ある日、誰かに付き合ってこの絵を遠くから眺めていたときのこと。 ぼーっとしていた私に、モナリザがふっと微笑みかけたのです! 身体が凍りつくかと思いました! 怖かったです・・・ この絵画に魅せられた人たちはみんな、この体験をしたに違いない。そう確信しました。 みなさんはどうでしょう? ご意見お聞かせ願いたいです。 私は、斜め左から見るモナリザが好きです。この日も何度も、モナリザは私に微笑みかけてくれました。 絵の中の人物の表情が動くのですから、一体どういった技術なのでしょうね! さあ、目的も果たし、帰るとしましょう。 その帰り道までもが、名作のオンパレード。 ちなみにモナリザの向かいの壁には、大作「カナの婚礼」が飾られているのですから、本当に贅沢なことです。 社会科の教科書で親しんだ「民衆を導く自由の女神」。 ソファに座って、じっくり鑑賞しました。 この同じ間に、「メデューズ号の筏」他の名作もあります。繰り返しになりますが、本当に贅沢なこと。 この夏のうちに、またルーブル美術館へ行きたいと思います。 今だからできるピンポイントに目的を絞った見学を、たくさんしておきたいです。次回の目的は、ミロのヴィーナス。この像にも、ある日ハッとさせられました。「この人は男性だ!」と。 遠出のできない2020年の夏ですが、かえってパリをじっくり堪能できるいい機会になりそうです。 日本でもコロナウイルス第二波が懸念されつつあると聞きます。 今だからできること、自分の足下や身の回りをもう一度新しい眼差しで眺めてみる・・・そんな機会なのかもしれません。 それではまた、アビアントー! Keiko SUMINO-LEBLANC パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者 1997年からパリに移住。パリでの結婚・子育てを経てフリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。 食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。 また、翻訳家として単行本も共著。 keiko's paris journal <パリ通信 - KSL> パリのライフスタイルを更新中
ブランドジュリエ paris通信 ヴァンヴ蚤の市
初夏のヴァンヴ蚤の市へ 6月20日土曜日、ヴァンヴの蚤の市へ行きました。 蚤の市を見にゆくのは、本当に久しぶりです。 幸い天気に恵まれ、そぞろ歩きにはうってつけ! 人の出もほどよい程度に賑やかで、掘り出し物探しにちょうどいい感じでした。 実は現地を見るまでは、アフターコロナの蚤の市がどんな風なのか、あまり想像ができなかったのです。 もしかすると人々は中古品を敬遠するようになって、お客さんがガクッと減ってしまったかも知れません。 反対に、物を大切にする意識や環境面への配慮が強まり、中古品を支持する人が増えたかも知れません。 ものの陳列の仕方が変わったかも知れませんし、手にとって見ることができないとか・・・ 現地を見た印象としては、上に書いた通り「ほどよく賑やか」で、陳列の仕方も以前と変わっていませんでした。 品物を手に取って見ることも、以前と同じようにできます。 時折、陳列のテーブルの片隅にアルコールジェルのボトルを置いているスタンドもあり、アフターコロナの気配りを感じました。そしてマスク率は、思いの外高かったです。 パリの人々が蚤の市を見放すことはなかったわけです! いつものように買い物を楽しむお客さんと店主との、朗らかな会話が聞こえました。小鳥のさえずりも聞こえましたよ! ちなみに、コロナウイルス対策の外出制限中は、 クリニャンクールの蚤の市もここヴァンヴの蚤の市も、「必要最低限」では無いために閉鎖していました。 5月16日の週末からようやく再開し、再開当日は双方ともに比較的静かなスタートを切ったようです。 新聞「ル・パリジャン」によると、ヴァンヴの蚤の市は通常250のスタンドが立つところを、100程度に減らして再開したとのこと。 歩道の両脇にずらりと2列に並ぶスタンドを、お客さん同士の安全距離を確保するために片側一列に規制した結果です。 私が見に行った6月20日は、通常通り両側にスタンドが並んでいました。 でも確かに所々空き地になったスペースがあったので、そこはおやすみ中のスタンドだったのだと思います。 私たちの1世代上までは、セットの食器は36ピースが基本だったのだそう。 ナイフやフォーク、スープ皿、デザート皿、ワイングラス、シャンパングラス・・・ 全て36組だったなんて、当時はお嫁入り道具を揃えるのも大変! シンプルな折り畳みの椅子がいい感じでした。 海辺のカフェで使われていたのかな・・・など想像が膨らみます。 ガラスのカバーとセットになった水彩画。 品揃えが魅力的なスタンドは、陳列からして違います! 1947年創業のビストロ「オ・ピエ・ド・コション」のカップアンドソーサー。 1930年代の子供たちが遊んだ紙人形。 古いワインのエチケット、紙袋、カード・・・たとえ使い道はなくとも欲しくなる! 「買う人がいるのかな?」と思うものがあるのも、蚤の市歩きの楽しみです。 七宝焼のピンが1ユーロなんて、ずいぶんお安いです。 さて、この日の私の戦利品は? 実は5ユーロのザルを悩みに悩んで、結局買わなかったのです。 こういうアルミのクッキングツールは、今でもフランスの田舎の家では普通に使われています。 まさに一生もの! という以上に、3世代くらいに渡って愛用していそうですね。 私が悩んだザルは、「なんでも5ユーロ」のコーナーにありました! 次回は皆さんをどこへお連れしようかな・・・ それではまた、アビアントー! Keiko SUMINO-LEBLANC パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者 1997年からパリに移住。パリでの結婚・子育てを経てフリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。 食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。 また、翻訳家として単行本も共著。 keiko's paris journal <パリ通信 - KSL> パリのライフスタイルを更新中
ブランドジュリエ paris通信 パリのテラス
パリの夏、テラスは今年も健在です! 日本は梅雨入りしたとも、暑い日が続いているとも聞いています。 みなさまはいかがお過ごしでしょうか。 パリは、アフターコロナの2020年夏ではありますが、 例年と同じように街のあちこちにテラスが登場し、心からほっとしています。 前回のパリ通信でもお伝えしたとおり、 パリ市内の飲食店は「テラス席のみ」という制約のもと、6月2日から営業再開していました。 6月15日からはその制約もなくなって、ようやく以前のように外食を楽しめる生活です。 今回は、パリの夏の風物詩であるテラスの写真を、いくつかお届けします。 まずは6月2日、テラス解禁当日の、 プラスディタリー(イタリア広場)、夜8時をまわったカフェ・ジュールのテラスから。 いつも大賑わいのカフェ・ジュールは、 フランスの小説家ミッシェル・ウエルベックの最新作「セロトニン」に登場します。 ファンはぜひ足を運びたくなりますね。 写真からはあまりわかりませんが、通常よりも各グループの間隔が開くように、テーブルが配されています。 お客さんのマスク着用率は、とても低いですが・・・ 続いて同じ6月2日夜8時すぎの、ビュットー・カイユエリア。 ここは街中が歩行者天国になる勢いで、大勢の人が外に出ていました。 歩道にテーブルを出すだけでは飽き足らず、石畳の車道にもテーブルが! しかも、もはや屋外用のテーブルや椅子ではありません、屋内用のソファを外に出しているのです! それがまた、なんともいえないくつろぎの演出になっていました。 ここでちょっと、インテリアの話をさせてください。 ガーデンチェアの上にリビング用の布張りクッションを置く、というように、 通常外では使わない屋内用のインテリアをあえて屋外で使うと、とても贅沢な気分になります。 パリジェンヌが大好きなバカンス地の一つ、モロッコのマラケシュでは、 立派な絨毯をテラスに敷き詰めたり、その上にこれまた立派なソファやクッションを置いたりするのが伝統なのだとか。 私の住まいにテラスやウッドデッキがあったら、そんなエスプリを取り入れたいものです。 ご参考までに、夏季限定でギャラリーラファイエット屋上に登場するベジタリアンレストラン「クレアチュール」の写真を。 マラケシュ風、屋外インテリアの好例です。 ここビュットー・カイユは、昔懐かしいレトロな雰囲気の残るエリアとして、 若いパリジェンヌ、パリジャンから人気です。 テラスから溢れた若者たちは、噴水のある広場でピクニック状態でした。 こういう自由なムードこそ、パリ! ですね。 ビュットー・カイユを離れ、セーヌ川へ移動しましょう。 フランソワ・ミッテラン国立図書館そばのセーヌ岸には、毎夏ずらららら〜っと、たくさんのテラスが並びます。 その中でも有名なのが、ここ、プチ・バンのテラス。 プチ・バンは、セーヌ川に浮かぶ停泊船のライブハウス兼レストランで、 岸にはご覧のとおり、とてもカラフルなテラスを広げています。 天気の良い日曜日の午後だったこともあり、パリジェンヌ、パリジャンが思い思いにくつろいでいました。 感染症対策に注意しつつも、やっぱり日光浴の快感を諦めるなんて、彼らにはできそうにありません! 重ねて申し上げますが、感染症対策は万全に。 テラス解禁から約2週間、私も何度かテラスを楽しみました。 まず1回は、最高に幸せな気分に浸らせてくれる、「テラスで飲むシンプルな生ビール」を味わいました。 日本のようにジョッキではなく、グラスで、おつまみも注文せずに単品で。 シャンパンはいつでも、もちろんおいしいですが、よく晴れた日のテラスで飲む生ビールも捨てがたいです。 こうしてテラスで読書したり、ノートに何かを書き留めたりする時間は、たった数ユーロで得られる最高の贅沢。 「たくさんお金がなくても幸せになれるから、パリが好き」という方は、多いかもしれません(私のように)。 別の日には、友人と二人でアジアランチをしました。 「ボブン」というベトナム料理、ご存知の方も多いと思いますが、これがパリジェンヌから人気なのです。 ヘルシーで、ワンプレートなのにバランスが良く、しかもボリューム十分なところが人気の理由のようです。 天気の良い日に、テラスのパラソルの下で食べるアジアランチ、なかなかオツでした。 また他の日には、久しぶりに深夜過ぎまでカフェのテラスで過ごしました。 ブルゴーニュの白をカラフで注文し、チーズの盛り合わせと。 チーズの盛り合わせには、ブルターニュ産バターと、ボンヌ・ママンのジャムが添えてありました。 気取らない店の、気取らないチーズ盛り合わせですが、もうこれだけで外出制限後の私にはたまりませんでした!! この日はやや肌寒く、テラスにはストーブがついていました。 こんな感じで、パリは再稼働しています。 また自由に移動し、自由に旅行を楽しめる日が来ますように。 それではまた、アビアントー! Keiko SUMINO-LEBLANC パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者 1997年からパリに移住。パリでの結婚・子育てを経てフリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。 食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。 また、翻訳家として単行本も共著。 keiko's paris journal <パリ通信 - KSL> パリのライフスタイルを更新中
ブランドジュリエ paris通信 外出制限解除後の、パリのデパートへ
コロナ後のパリ、 ギャラリーラファイエットが営業再開。カフェのテラスも! 5月11日の外出制限解除から3週間経った5月30日(土)、 ヨーロッパ最大のデパートとして知られるギャラリーラファイエットが、ついに再オープンしました。 小さなブティックでも、感染症予防対策を徹底することは難しい問題だと思いますが、 ヨーロッパ最大のデパートとなると・・・想像を絶するものがあります。 どんな接客がされているのか、どんな販売スタイルが採用されているのか、この目で見るために出かけました。 到着すると、11時の開店前から行列が! 私も30分ほど並んで待つことに。 感動の再オープンの瞬間を動画にまとめましたので、是非ご覧ください。 この投稿をInstagramで見る Keiko Sumino Leblanc(@keikosuminoleb)がシェアした投稿 - 2020年 6月月1日午後2時20分PDT 並んで待って、再オープンの現場に立ち会って、本当に良かったと思いました。 2ヶ月以上にわたる休業を余儀なくされ、夏に向けて準備していた魅力たっぷりのイベントを全てキャンセルし、 新たな安全基準を模索・検討して・・・ この日を迎えるために、内部の方々がクリアしてきた多くの難題を想像すると、 大きな拍手で迎えてくれた皆さんへ、こちらが拍手を送りたくなりました。 (↑お互いの健康のために、マスク着用して下さい。マスク要着用 covid19コロナ) さて、現時点ではどんな風に買い物ができるのでしょうか? まず、お客様も販売担当者も、マスク着用が義務付けられています。 そして、店内に入るとすぐに、ドアマンが手のひらにアルコールジェルをくれます。 手を殺菌して店内へ。 店内には、他のお客様との距離を最低1メートル保つよう呼びかけるお知らせが、至る所に掲示されていました。 洋服の試着は可能です。試して買わなかった商品は、6時間隔離。化粧品を試すことはできません。 飲食スペースはまだ閉まっていました。私が楽しみにしていた屋上も、残念ながら閉鎖中! 一年で一番いい季節に、あの気分の上がるルーフトップに立てないなんて、本当にもったいない・・・ 私はこの日、メゾン館で照明を購入しました。 販売担当者によると、私が触った商品に、彼は触ることができないのだそうです(触ってはいけない、という意味で)。 私が買い物を済ませた後、いちいち殺菌するとのこと。仕事が増えて大変! いつもは観光客でごった返しているギャラリーラファイエットも、 今現在は地元フランスのお客様だけが買い物に来ています。 地元フランスのお客様は、高額商品を求める観光客ではないので、 お客様のニーズに合わせて売れ筋商品も変わってくることでしょう。 そして本日6月2日本日からは、フランス全土のレストラン、カフェ、バーの営業が解禁となりました! パリとその近郊の地域はまだ感染の危険が高いので、テラスのみの営業になります。 とはいえ、ようやく外食ができるようになりました。これはフランス人にとって本当に嬉しい出来事。 これもやはり、現地を見ておくべき重大ニュースです。というわけで今朝、テラスのメッカ、シャンゼリゼへ出かけました。 朝10時半のシャンゼリゼは、まだ人が少なく、テラスも準備中のところが目立ちました。 が、満足そうに太陽を浴びながら、コーヒーを飲むパリジャンの姿がありました。 みんな、2カ月間も家の中に閉じこもって、この時を夢見ていたのです・・・! 庶民的な我が家のエリアでは、朝からカフェのテラスが大賑わいでした。 テラスでコーヒーを飲み、バターを塗ったバゲットを食べる。 そんななんでもない一コマがいかに幸せだったのか、誰もが再認識しているように見えました。 実際、そんななんでもない一コマを、写メしている人が大勢いましたよ! これはランチタイムも同じでした。老若男女、テラスでランチの写メ大会さながら。 夕方のアペリチフタイムには、もっと大勢の人が外に出ることでしょう。 もちろん1mの安全距離を保ちつつ・・・私も2カ月以上ぶりに、パリ産の生ビールを飲みに行きたいと思います! それではまた、アビアントー! Keiko SUMINO-LEBLANC パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者 1997年からパリに移住。パリでの結婚・子育てを経てフリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。 食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。 また、翻訳家として単行本も共著。 keiko's paris journal <パリ通信 - KSL> パリのライフスタイルを更新中
ブランドジュリエ paris通信 外出制限解除後の、パリのマルシェへ
外出制限解除後の、パリのマルシェへ! 5月11日、2カ月間に渡ったフランスの外出制限が、ついに解除されました! まだ移動の制約は多く、レストランや映画館も休業したままですが、 外に出るたびに許可証を携帯する必要はもうありません! 解除後初めての週末だった5月16、17日の土日は、 パリのサンマルタン運河沿いやヴァンセンヌの森など、大勢の人で賑わったようです。 行政サイドとしては、もうちょっと自粛してもらいたいところでしょうが・・・仕方ありません。 自由を愛するフランス人がよく辛抱した、と、私ですら思います。 私はというと、友達と会うようなお出かけはせず、いつものマルシェへ行きました。 毎週日曜日の朝、野菜や魚を買っていたマルシェへ行くのも、実に2カ月ぶり。 蜂蜜屋さん、ハーブ屋さん、花屋さん、チーズ屋さん・・・スタンドのみんなは、どうしているかな・・・ 快晴の空の元、いつものマルシェに到着すると、あら? なんだか様子が違います。 通常は、歩道の両サイドにスタンドが並び、その中央を買い物客が歩いているのですが、 よく見るとスタンドが向かい合って並んでいません。 左側に並ぶスタンドで買い物をする人はいつも通り中央を歩き、 右側に並ぶスタンドで買い物をする人は車道(とは言っても車は通りません)を歩く、新しい動線になっていました! なるほど、こうやって買い物客が密集するのを防いでいるわけです。よく考えられています! 加えて、並んでいる商品を感染から守るために、スタンドにラップを張り巡らしたプロテクションも。 スタンドに立つ販売の人も、マスク姿が多かったです。 外出制限中、「解除後の世界がどうなるのかな」と、想像しようとしても、全くノーアイデアでした。 つかみどころがない、というか、うまくイメージできなかったのです。 でも、私がノーアイデアでぼんやりしている間に、こうやって具体的な策を練っていた人達がいたわけです。 そう思うと元気が出ますし、とても励まされます。 もう1つ、励まされたことがあります。それは、マルシェ広場の花屋さん。 花屋は政府が認める必要最低限に含まれず、外出制限は中営業ができませんでした。そこでこの花屋さん、なんとオーガニック八百屋さんに転身し、営業を続けていたのです。 たくましさと行動力、柔軟なアイデアに、こちらまでポジティブになりました。 しかも、オーガニック八百屋として、とても繁盛したのです。行動力の勝利です! 外出制限が解除され、この花屋さんは八百屋として営業しているのだろうか? それとも以前のように、花屋に戻ったのだろうか?気になって見にいくと、なんと花屋兼八百屋として営業再開しているではありませんか! 新しいビジネスの誕生です! 「仕事内容が2倍になってお客さんも2倍になった分、店のスタッフを増やしたの」と、お店の方。 つまり、以前にもまして繁盛している、というわけです。素晴らしいことですね! 「フランスには石油はないが、アイデアはある」 オイルショックを受けてサマータイム(夏時間)を導入した際の、ジスカーデスタン大統領の言葉です。フランス人気質を実によく表現していて、私はこの言葉が大好きです。困難に直面した時こそ、その人の持ち味が発揮されるのかもしれません。 花屋兼八百屋さんには、そんなフランス人気質そのものを見る思いでした。 日本の緊急事態宣言も、解除されたと聞いています。まだまだ先は長そうですが、 日本人もフランス人も、機転を利かせてポジティブに、この難局を乗り越えらますように。 どうぞみなさま、お元気で。 それではまた、アビアントー! Keiko SUMINO-LEBLANC パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者 1997年からパリに移住。パリでの結婚・子育てを経てフリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。 食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。 また、翻訳家として単行本も共著。 keiko's paris journal <パリ通信 - KSL> パリのライフスタイルを更新中
ブランドジュリエ paris通信 おうち時間2
外出制限で感じる、花と緑の大切さ この原稿を書いている本日5月1日は、メーデー。 フランスでは祭日です。 毎年この日になると、路上にはすずらん売りのスタンドがあふれます。 5月1日は小さなブーケや鉢植えのすずらんを買って、自宅に飾ったり、親しい人に贈ったり。 そんな習慣がフランスにあることを、ご存知の方も多いかもしれません。 でも残念ながら今年は、コロナウイルス対策の外出制限真っ只中です。 例年通りののどかな風景を、街で見かける事はないでしょう。 しかしそうは言っても、フランスの人々の生活から、5月1日のすずらんが消えることはありませんでした。 デリバリーサービスで友人に鉢植えを贈る人や、自分用にあらかじめ予約しておいて、 当日ピックアップ(テイクアウト風に)する人が多いのです。 私も先日ワイン屋さんへ行った際に、店先にスズランの予約受付のお知らせを見ました。 花屋さんは、フランス政府が認める「必要最低限の店」には含まれないため、現在休業中です。 それでも5月1日には、みんなの暮らしにスズランを届けたい! と、工夫を凝らしていたわけです。 前回のブログで、インテリアの大切さ、花や緑の大切さを書きました。 外出制限というこれまで体験したことのない事態を経験し、 必要最低限の暮らしの中で、いかに心の潤いが大切なのかを日々、痛感しています。 今、スズランの可憐な姿と華やかな香りに癒されている人たちが、きっと大勢、このフランス全土にいるはずです。 我が家には、先週届いた季節の花のブーケが、今も美しく咲いています。 日仏フローリストユニットの「アトリエカーミン」が、この外出制限中に始めたデリバリーサービスを利用しました。 (届いた花が、毎日表情を変えながら長く楽しませてくれています。 シャクヤクは、鮮やかなフランボワーズ色から優しい象牙色に変わりました。) 送料込みの40ユーロ(約5500円)で、パリ近郊で栽培される季節の花のブーケを届けてもらえると知り、すぐに利用しました。 新鮮な切り花の香りが、日当たりのない30平米の我が家の気を、一瞬でみずみずしくフレッシュに変えてくれました! こういう時だからこそ、花を買って、本当に良かったです。 みなさんは、どんな毎日をお過ごしですか? 日本の緊急事態宣言はフランスのようには厳しくないとは言え、自粛を強いられ、気分が塞がりがちかも知れません。 庭やバルコニーのある方は、せっかくなのでガーデニングをしたり、テラス生活を楽しんだりされてはいかがでしょう。 ちなみに、フランスの調査機関のデータによると、現在フランスで、 庭もバルコニーも無い住まいで外出制限をしている人は、全体の13%だそうです。案外少ないですね。 庭もバルコニーも無い、私と同じ環境の方は、小さなスズランの鉢植えを一つ、テーブルの上に飾っては? 気分は5月のフランス! そんな力が、植物にはありますね。 どうかみなさん、御元気で。 この現状を出来るだけいい状態で乗り越えましょう。 それではまた、 アビアントー! Keiko SUMINO-LEBLANC パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者 1997年からパリに移住。 パリでの結婚・子育てを経てフリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。 食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、 フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。 また、翻訳家として単行本も共著。 keiko's paris journal <パリ通信 - KSL> パリのライフスタイルを更新中