Paris通信 アスティエ・ド・ヴィラットのアトリエへ!
2024年1月、今年もフランス最大のデザイン見本市メゾン・エ・オブジェが開催され、 これに合わせてブランドジュリエの中川オーナーが渡仏されました。 この機会に、中川オーナーは必ずアスティエ・ド・ヴィラットの展示会に足を運んでいます。 今回はついに念願がかない、アトリエ訪問をすることに! というのも、今回の展示会の会場が、アスティエ・ド・ヴィラットのオフィス兼アトリエだったのです。 まずはアジアパシフィック圏営業担当者のリカルドさんにご挨拶。 毎回思いますが、アスティエ・ド・ヴィラットでセットしたテーブルの美しいこと! ちなみにここは普段、社員のお昼休憩所なのだそう。 ご挨拶の後、いざアトリエへ! パリ13区にあるパリ市のオフィスビル1階(日本式の1階)が、アスティエ・ド・ヴィラットのアトリエです。 このビルにはパリ市が支援するMade in Parisのメーカーが複数入居しています。 アスティエ・ド・ヴィラットは1階のアトリエの他、 上階にオフィスと先ほどのお昼休憩所、さらに小アトリエがあるので、 かなりの面積を使用していることになります。 パリ市にとっても重要なブランド、ということなのでしょう。 陶器づくりはまず土から。 独自の調合で土を整え、形成し、乾燥させて。その工程全てが手作業です。 チベットからの亡命者支援の意味で、彼らを積極的に雇用していることは、 アスティエ・ド・ヴィラットファンの間では有名な逸話だと思います。 「もともと手作業の文化が根付いた土地から来た人達です。 丁寧に仕事をしてくれますから、私たちもとても心強いのですよ」と、リカルドさん。 作者一人一人が持っている自分の刻印も、このブランドのファンにはよく知られているところ。 リカルドさんが一例として、手に取って見せてくださいました。 十分に乾燥させた後、素焼きの工程へ。 高温でしっかり焼き締めるからでしょうか、アスティエ・ド・ヴィラットの食器は丈夫ですよね! 見学の最後に規格外製品を割る作業を体験させてもらったのですが、 両手で放り投げた大プレートが、ヒビ一つ入らず無傷だったのには驚きました。 どういう陶器なんだろう、と思います。こんなに繊細に見えるのに。 素焼きの後、釉薬をつけてからもう1回、大抵の場合は2回、焼いて完成。 ただし、この工程は極秘で、撮影はさせてもらえませんでした。 1つ1つ、気の遠くなるような工程と手間、時間をかけて、 丁寧に仕上げられるアスティエ・ド・ヴィラット製品の裏舞台を、もっと見てもらったほうがいいのでは? そうすれば値段が高いなんて誰も思わなくなるはず、と思うのですが、 「アトリエ取材を受けるたびに、必ずコピーされるので。。」とのリカルドさんの説明でした。 「それに、裏舞台を見せずとも、 どれだけの手間がかかっているのかは、皆さんよくご存じなんですよ」とも。なるほど。 アトリエの一角にある、活版印刷のアトリエ。 ここで、あのかわいらしいカード類が印刷されているのです。 タイポグラフィー好き、紙好きにはたまりません。 こういう古き良き工房の姿を守ってくれるところも、 アスティエ・ド・ヴィラットの素晴らしいところ。 こちらは、節子クロソフスカ・ド・ローラさんのアトリエ。 ここにちょくちょくいらしゃって、制作活動をされているのだそうです。 パリ13区のこの場所に、かの節子さんがいらしていたとは! スイスのグラン・シャレから、お出ましになるのですね。。。 季節を先取りしたミモザのブーケが、甘やかないい香りを放っていました。 アトリエを一通り見学した後に、新作展示を見せていただきました。 サブレで有名なポワラーヌとのコラボマグがあったりして、 何度寄せていただいても新しい発見があり、楽しいです。 そして何度見ても、アスティエ・ド・ヴィラットの美学は素晴らしい! そう痛感するのでした。 中川オーナーが厳選したセレクションを、ぜひブランドジュリエのショップでご覧になってくださいませ。 目利きは何を選んだのか? どうぞお楽しみに! それではまた、 アビアントー! Keiko SUMINO-LEBLANC パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者 1997年からパリに移住。パリでの結婚・子育てを経てフリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。また、翻訳家として単行本も共著。
Paris通信 アスティエ・ド・ヴィラット 2023年秋の展示会へ
9月のメゾン・エ・オブジェのタイミングに合わせて、今年もアスティエ・ド・ヴィラットの展示会が開催されました。 世界中から顧客が集合するこの機会、創業者のブノワさんとイヴァンさんは対応に大忙しです。 そんな中でも中川オーナーは特別扱いで、長年の信頼関係を大切にされるお二人であり、中川さんなのだと痛感させられます。 イーストランド島田昌彦社長も同席。 展示会場の上階で新作を含む数々のコレクションが展示され、1階はレセプションスペースになっています。中川オーナーはどんな新作を発注したのか?ぜひぜひブランドジュリエからのお知らせを楽しみにしてくださいませ。 今回のパリ通信では、1階のレセプションスペースのしつらいをお見せしたいと思います。アスティエ・ド・ヴィラットの美意識が満載なのです! アスティエ・ド・ヴィラットファンの皆さま、ブランドジュリエファンの皆さまの、お招きテーブルアレンジの参考になると思い、たくさん撮影しました。 面白かったのは、パリではまだ珍しいフルーツサンドがあったこと。日本人シェフにケータリングを依頼したそうです。きっちり整然とカットされたサンドイッチ、きれいですよね! この日本流のサンドイッチがSANDOという呼び名で、パリのグルメシーンに1つのカテゴリー築いていることをご存知ですか? フランス流のバゲットを使ったサンドイッチでもなく、イギリス流の薄っぺらいサンドイッチでもない、きめ細かく焼き上げた日本の食パンを使った、日本流のサンドイッチがSANDOです。 パリのおしゃれなエリアでSANDOを提供するパン屋さんやカフェがジワジワと増えている、と聞くと、日本で普通にサンドイッチを買って食べている私たちには面白く感じられますね。 そのSANDOに目をつけたブノワさんとイヴァンさんは、さすが日本ツウでグルメだと思いました!(僭越です・・・) お隣は応接ルーム。 さらに奥が上映室になっていて、アスティエ・ド・ヴィラットの新作ムーヴィが上映されていました。今シーズンの新作フレグランス「マント・ラ・ジョリー」のモチーフになった街も登場していました。 オリジナルの角砂糖。角砂糖はフランス文化だと思っています。ヨーロッパ統合から徐々にパリのカフェから姿を消していますが、守ってゆきたいアールドヴィーヴルです。 それではまた、アビアントー! Keiko SUMINO-LEBLANC パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者 1997年からパリに移住。パリでの結婚・子育てを経てフリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。また、翻訳家として単行本も共著。
Paris通信 南仏のミモザとマーマレード
気づけばもう3月!すっかり暖かくなりました。 桜の開花ももうすぐ、と、東京の友人から聞きました。 私は今年の2月半ば、南仏カンヌ方面へミモザを見に行きました。 黄色くてふわふわのミモザは、日本でも人気だと思います。 ブランドジュリエのファンの皆さまの中にも、 「3月8日の国際女性デーに部屋に飾ったわ」という方がいらっしゃるかもしれません。 私は以前から、「2月のカンヌでミモザを見る」ことが夢でした。 実はもう30年も前、カンヌに語学留学した時に 「あれ全部ミモザだってよ」と教えてくれた日本人の友人の言葉を、私は信じなかったのです。 「ミモザって小さな花でしょう?あんな大木になるはずがない」と… そのくらいカンヌのミモザの木は大きく、高速道路沿いにずっと続いていました。 しかしなんとも無知で、人の話を聞かない自分であることか。反省しなければなりません。 今では、あの大木が全部ミモザだったことを知っています。 そして南仏の地中海沿いには130kmにわたって続く「ミモザ街道」と呼ばれる一帯があること、 モンドリユでは毎年2月に「ミモザ祭り」が開催されること、 タヌロンはミモザ畑で有名なこと、などなど、よく知っています。 インターネットで簡単に調べられますから。 というわけで、今年はタイミングを逃さず、2月半ばに南仏に出かけたというわけです。 ミモザは、桜のように見頃が短い花ではありませんが、やはり満開に合わせて出かけたいもの。 一応目安として、1月から3月にかけて花の時期を楽しめる、と言われています。 今回実際に現地に行って分かったのは、ミモザと一言で言ってもいろいろな種類があること。 花のふわふわ部分が大きいもの、玉のように引き締まっているもの、葉っぱが細かいもの、広めのもの、などなど。 なんでも1,000以上の品種があるそうです。そして、同じ庭にあっても開花の時期はまちまちであること。 しかも、ミモザは南仏コートダジュール原産ではなく、 1800年代に裕福な英国人がオーストラリアから持ち帰って、カンヌ付近に植えたことが始まりなのだそう。 そこからどんどんと発展した、いわば雑草・・・ ちなみに、ユーカリも同じ時期に、同じ経路で南仏コートダジュールにやってきて、 今ではこの土地の景観を作る代表的な植物になっています。 私がいつも泊めてもらっているドミニクさん宅にも、たくさんのミモザとユーカリの木があります。 この家はもともと、彼の奥様マガリさんのおばあちゃんの家でした。 マガリさんは子供の頃からこの庭を見てきたわけですが、 「私が小さかった頃、庭にミモザは1本もなかったのよ。庭全体が松の木とヒースに覆われていて、今見える花は1つもなかった。 私たちは何も植えずに、植物たちの方で勝手に生えてこうなったの」と教えてくれました。 勝手に生えたミモザの大木が、8本も! しかも、時々注意して若い芽を摘み取らないと、もっと増えてしまうそうです。 そんなに丈夫な木なら、私もパリのベランダで育ててみたいと思い、 摘み取って捨てる小さな苗木を2つマガリさんに持たせてもらいましたが・・・ 彼らは私に馴染んでくれるでしょうか。あまり自信がありません。 さて、そんなマガリさんとドミニクさん宅では、天気がいい日は冬でもテラスで食事をします。 2月半ばもこの通り、何度も外で朝食を食べました。 朝、昼、晩、寒くなければいつでも外のテーブルで。なんて贅沢な暮らしでしょう! しかも、ドミニクさんの手作りマーマレードが絶品なのです! 友人の家の庭からもいできたビターオレンジを、ドミニクさんが3日かけて仕上げます。 「マーマレード作りは、時間がない時にはやってはダメだよ」と、ドミニクさんからのアドバイスです! Dominique Fantino https://www.instagram.com/unchefalamer/ こうして写真を見ているだけでも心が満たされるよう。 そんな記憶をいつも、自分の胸の中に持っていたいですよね。 それではまた、 アビアントー! Keiko SUMINO-LEBLANC パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者 1997年からパリに移住。パリでの結婚・子育てを経てフリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。また、翻訳家として単行本も共著。
Paris通信 フランス国立図書館リシュリユー館
パリ2区にあるフランス国立図書館リシュリユー館が、10年間の工事を経て再オープンしたのは昨年2022年9月のこと。 ここがパブリックスペース、つまり無料で利用できる公共の場として公開されていることに、 フランスの文化的な底力と、社会福祉に取り組む覚悟を感じます。 ブランドジュリエ中川オーナーのYouTubeライブで、中の様子をご覧いただけます。まだのかた、ぜひご覧ください。 今回は、YouTubeライブでは説明しきれなかった情報を、パリ通信としてカバーしたいと思います。 【YouTubeライブはコチラ】 まずは、サル・オーヴァル(楕円の場)。 登録や予約を一切せずに、誰でも自由に利用できます。 無料Wi-Fiがあって、デスクもあって、こんな場所で仕事や勉強ができたら最高ですよね。 旅の途中にちょっと利用されてはいかがでしょう? ソファのコーナーも。 本棚から1冊自由に選んでここで広げてみるのもいいでしょう。 ちなみにこのサル・オーヴァルは、 9,000冊ものB D(ベーデーと呼ばれる、ハードカバーのフランス版マンガ)が集まっていることで有名です。 誰でも自由に利用できる場所として、あえてB Dを集めたのだそう。 そして物議を醸し出した階段がこちら。 元々存在した18世紀の大理石の階段を撤去して、空間の自由度を高めるために新しく作られたのですが、 「歴史を消し去るとは何事だ!」と各方面からバッシングを受けました。 でも、私はこれを初めて見た時に、歴史的建造物の価値をここまで高めたリノベーションの成功例はない、と感動しました。 支柱のない、リボンのような軽やかな階段。鋼とアルミニウムでできています。 手掛けた建築家のブリュノ・ゴダンさんに、拍手を送ります! 庭園は、ケ・ブランリ美術館の庭等を手掛けた造園家、ジル・クレマンさんの作です。 植物の成長を待って、5年後に完成するという庭の完成図を見ましたが、それはそれは緑豊かな夢の空間でした。 2027年、どんな庭が生まれるのか? 楽しみですね。 図書館の中にはカフェ(ローズベーカリー)や、美術館も併設されています。 次回のパリ滞在の際に、ちょっと立ち寄られてはいかがでしょう。 さて、リシュリユー館は、いわば旧フランス国立図書館。 新フランス国立図書館としてフルに機能しているのは、パリ13区にある通称フランソワ・ミッテラン国立図書館です。 建築家のドミニク・ペローさんの作品で、中庭は隠れた桜の名所でもあります。 こちらも誰でも無料で利用できますし、無料Wi-Fiもあります。 ルイ14世の地球儀と天球儀が展示されてもいるのですよ!無論、こちらもおすすめの場所です。建築としても見応え十分ですから! フランス国立図書館リシュリユー館 https://www.bnf.fr/fr/richelieu フランソワ・ミッテラン国立図書館 https://www.bnf.fr/fr それではまた、 アビアントー! Keiko SUMINO-LEBLANC パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者 1997年からパリに移住。パリでの結婚・子育てを経てフリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。また、翻訳家として単行本も共著。
Paris通信 Astier de Villatteショールームとメゾン・エ・オブジェ2023
2023年1月、今年もメゾン・エ・オブジェが開催されました。 もう説明の必要がないくらい有名なイベントですが、 あえて説明すると、メゾン・エ・オブジェはインテリアと雑貨の国際見本市。 インテリア好きにとっては、ぜひ一度足を運んでみたい大イベントです。 中川オーナーは、メゾン・エ・オブジェに通い続けること10年以上の大ベテラン。 ここ数年は、会場からインスタライブを行ったり、YouTubeの撮影をしたりと、発注以外も大変忙しそうです。 これもすべて、日本のインテリアファンの皆さまの為という思いは、そばにいるとよく伝わってきます。 そんな思いが込められたインスタライブのアーカイブを、ぜひチェックされますようお勧めいたします! ブランドジュリエが扱う人気ブランドの一つ、アスティエ・ド・ヴィラットは、 以前はメゾン・エ・オブジェに出展していましたが、 それをやめ、独自にショールームを展開するようになって久しいです。 パリ市内のショールームの様子を、少しだけご覧ください。 受付のコーナーは、いわば玄関です。 シャンデリアとスタンドタイプのランプは、アスティエ・ド・ヴィラットの人気商品ですね。 このシャンデリア、中川オーナーも買い付けたとのことですので、 ご興味のある方はぜひ、ブランドジュリエのショップをチェックしてください。 本物は写真よりもいっそうオーラがありますよ! そして玄関にはもちろん花を飾って。 「日本でもこういうアネモネがようやく手に入るようになったんです」と、中川オーナー。 アネモネは、多くの人にとってパリを連想させる花ではないでしょうか。マルシェにも必ずあります。 でもよくある青や赤ではなく、こういう深い色を選ぶ所がアスティエ・ド・ヴィラットという感じ。 凛とした印象の花器とも好相性です。 ショールームの中はお見せできませんが、お茶をいただいた後のテーブルの写真を。 コップ、コースター、角砂糖に至るまで、全てがアスティエ・ド・ヴィラットの美意識の世界! こんな生活がしたいものです!! 沢山のものは必要なくて、本当に自分の気に入ったもの、 自分を幸せにしてくれるものだけが、テーブルの上にあれば十分。 何度もご出席されている 中川オーナーに今回の展示会についてお聞きしました。 「アスティエの展示会は、新作のコンセプトや新しい試みを詳しくお伺い出来る貴重な機会です。 年2回のみお会い出来るデザイナーやスタッフの方々との久しぶりの再会も楽しみにして来ました❣️ 新作の画像などはお見せ出来ませんがとても素晴らしいアイテムが揃っていましたよ✨ また、嬉しいNEWSが3つも...!!! 1つ目は、工房が以前の倍ぐらいの大きさにパワーアップ!! 今後は入荷までの時期が大幅に早まるそうです💕」 「2つ目は、家具のオーダーが再開されました!! テーブルとチェアをお茶の際に使用させて頂きました😆 3つ目は、グラスの製作が再開されました🥂 待ち望まれていた方も多いのではないでしょうか? 洗練されたデザインは引き継ぎますが、強化ガラスとなり実用的に進化しました。こうご期待です」 新作の入荷が待ち遠しいですね。 ぜひブランドジュリエのショップでご覧くださいませ。 【Astier de Villatteはコチラ♪】 中川オーナーからのお話も頂いた所で せっかくなので、今回のメゾン・エ・オブジェで私がチェックしたことを2つ、ご紹介させてください。 パリ歩きインスタライブをお手伝いした時にも話しましたが、やはりエコロジーを意識したメーカーが多いと感じました。 家具の地産地消、天然素材、などなどです。その流れで、紙を使ったインテリアがいくつかあり、面白いなと思った次第。 例えばこちらのメーカーは、イベントや店内装飾に使う演出小道具・大道具を、全て紙で作っていました。 フランスのメーカーです。 こちらはイタリアのメーカーで、タピスリーをメインに展示していましたが、 本のページをアップサイクルした照明がとても素敵でした。 ぱっと見、ドライフラワーのような印象。面白いですよね。 タピスリーのような重量感のあるものと、紙製のシャンデリアという素材的にもアプローチ的にも軽やかなもの。 重さと軽さを組み合わせるバランスがまた、絶妙だと感じました。 それではまた、 アビアントー! 【Astier de Villatteはコチラ♪】 Keiko SUMINO-LEBLANC パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者 1997年からパリに移住。パリでの結婚・子育てを経てフリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。また、翻訳家として単行本も共著。
Paris通信 リッツ・パリのクリスマス2022
クリスマスといえばビュッシュ・ド・ノエル。 木の切り株を模したロールケーキのクリスマスケーキは、日本でもすっかり定番になっているそうですね。 毎年夏休みが明けてしばらくすると、 パリのジャーナリストたちは新作ビュッシュ・ド・ノエルの試食会招待で大忙しになります。 すぐに画像を公開していいメゾンもあれば、公開日を指定するところもありで、なかなか神経を使うところ。 リッツ・パリは、今年は12月に入ってから画像を公開することができました。 その試食会の様子と、2022年12月現在の様子を交えて、今回はリッツ・パリのクリスマスをお伝えします。 まず12月現在のリッツ・パリ。なんと、ヴァンドーム広場にシャレー・ド・ノエル(クリスマスの山小屋)が登場しています。 これはコロナ禍の2020年にはじまった、テイクアウトのサーヴィスが発祥なのです。 辛い出来事をバネにして好転させる、フランス人らしいアイデア精神ですね。 このシャレーで、今年はヴァン・ショー(ホットワイン)やシャンパンなどが楽しめる他に、 リッツ・パリのオリジナルグッズ購入も。 さあ、ホテルの中へ入りましょう! 玄関を入ってすぐのところにあるお迎え花のコーナーには、リッツの色、ブルーをつかった観覧車が飾られていました。 これは、リッツ・パリ専属フローリストの、アンヌ・ヴィッシェンさんの作品。 彼女のインスタアカウントに、制作過程の動画がアップされています。 フローリストの枠を超えて、こんなふうにオブジェまで手掛けられるとは! ミニチュアの街並みと一つになった、素敵なインスタレーションですね。 https://www.instagram.com/anne.vitchen/ その右隣、螺旋階段の脇には、毎年恒例の巨大クリスマスツリーが! 赤いガラスのオーナメントで飾られた、とびきりゴージャスでシックなクリスマスツリーです。 映画「ナルニア王国」を思い出すのはなぜだろう、と思い、 写真をよくよく見たところ、バックのゴブラン織のせいかもしれないと気づきました。 ゴブラン織のタピスリーを背に燦然と輝くクリスマスツリーは、リッツ・パリならでは! 廊下を進むと、右手に「サロン・プルースト」が現れます。リッツ・パリを愛した作家マルセル・プルースト。 ここは、彼にオマージュをささげ誕生したサロン・ド・テです。 名物はもちろん、プルーストと言えばのマドレーヌ。 ここのフランス流ティータイムは、ブラン・ド・ジュリエのファンの皆さんに強くお薦めしたいです。 なぜなら、リッツ・パリのシェフパティシエ、フランソワ・ペレさんのスイーツを、パラスの空間とサーヴィスで堪能できるから! インテリアや花が超一流であることは言うまでもありませんね。 フランソワ・ペレさんは、私が最も好きなパティシエの1人です。 奇をてらわない伝統的な焼き菓子を、ひとつひとつ丁寧に作る稀有なパティシエ。 今のご時世、誰もがインスタ映えを狙ったスイーツばかり作る中で、実直な仕事は貴重です。 かつ、パティスリーの美しさや独創性も見事。 では、フランソワ・ペレさんによる今年のクリスマスコレクションを、9月に行われた試食会の写真でお伝えいたしましょう。 リッツ・パリのビュッシュ・ド・ノエル2022は、ジンジャーマンクッキーを模したシナモン風味のスポンジケーキです。 長靴や雪だるまのモチーフが、可愛らしいですよね。 食べればスポンジケーキの繊細な食感と口溶けに、程よいコクと深みのヴァニラクリームが相まって、 これぞパラスホテルのスイーツ! 甘さの加減も完璧で、普通のケーキとは別の次元のものです。 何工程もある製造プロセスが、 フランソワ・ペレさんのインスタアカウントで紹介されていますので、よろしければご覧ください。 https://www.instagram.com/francoisperret/ フランソワ・ペレさんのクリスマスコレクションは、 先ほどの「サロン・プルースト」やレストラン「バー・ヴァンドーム」の他に、 コロナ禍以降誕生したケーキショップ「ル・コントワール」で味わうことができます。 「ル・コントワール」ではテイクアウトもできます。 パラスホテルの楽しみ方が、ちょっとカジュアルに、より広くなるのは嬉しいですね。 シーンに合わせて、利用する場所を選べるのですから。 次回のパリ滞在のご参考になればと思います! それではまた、 アビアントー! 【クリスマスアイテムはコチラ♪】 Keiko SUMINO-LEBLANC パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者 1997年からパリに移住。パリでの結婚・子育てを経てフリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。また、翻訳家として単行本も共著。