Paris通信 世界で最も歴史あるファッション雑誌「ハーパースバザー」のフランス版ついに創刊
今年2023年2月末、パリファッションウイークに合わせて、 ファッション雑誌の「ハーパースバザー・フランス版」が創刊されました。 ハーパースバザーといえば、今から150年以上前にアメリカで誕生した、世界最初のファッション雑誌。 高級ビジュアル誌の代名詞でもあります。 さすがの老舗だけあって、これまでに世界40カ国以上で出版されたそうですが、意外なことにフランス版は存在しませんでした。 それがこの出版不況のご時世に、いきなりフランス版が誕生するというのですから驚きです。 ラジオのニュースで聞いたところによると、フランス経済はラグジュアリーが絶好調で、 高級ブティックの前には行列ができている。にもかかわらず、宣伝媒体はインフルエンサーだけになってしまっている。 ラグジュアリーメゾンの広告を獲得するなら今でしょ! ということで、時期を逃さず高級ビジュアル誌の代名詞「ハーパースバザー」のフランス版が誕生した。とのこと。 実はこれまでにも何度か「ハーパースバザー・フランス版」の実現は試みられたそうですが、 その度にアメリカの本部と契約締結に至らなかったのだそうです。原因はなんだったのでしょうね? 話を戻しますと、確かにここ数年、というかおそらくこの10年ほど、 私の身の回りのクリエーターたちも「うまく行っているのはラグジュアリーだけ」と話していました。 ギャラリーラファイエットなどのデパートに行っても、シャネルやディオールなどの ラグジュアリーメゾンの入り口前には、まるで街のパン屋の店先のようにいつも行列があるのです。 まったく実際のところ、うまく行っているのはラグジュアリーだけ、という印象を受けざるを得ません。 そして株式市場を見れば、それは明らかなことなのです。 うまく行っているラグジュアリーメゾンから広告を取るなら今だ!と、 「ハーパースバザー・フランス版」が誕生した、誕生できた、ということにも納得できます。 新しく編集長が迎えられ、ジャーナリスト20名以上が就職した、とニュースで聞き、 この業界のはしくれで仕事をしている私も嬉しくなりました。 廃刊続き、不況続きだった雑誌業界にとっては、大きな朗報です。本物のカメラマンにも活躍の機会が与えられれます。 どんな誌面に仕上がっているのか? 興味があったので、先日4月号を購入しました。 雑誌を買うのは、昔も今も街角のキオスクです。日本と違って、フランスの本屋は雑誌を販売しません。 新聞や雑誌、ポストカード、キーホルダーなどがずらりと並ぶキオスクの店頭。 インスタントコーヒーやチョコレートバーを売っていたりもします。キオスクの風情、パリらしくていいですよね。 「ハーパースバザー・フランス版」は、従来の高級ビジュアル誌らしく、光沢のある紙を使っていました。 その隣に「シルエット」という、聞いたことのないファッション雑誌が並んでいました。 こちらの方は、最近よく見るスタイルの雑誌で、分厚く、手触りのいいマットな紙です。 対照的だなと思い、「シルエット」も購入しました。 左が「ハーパースバザー・フランス版」、右が「シルエット」です。 「ハーパースバザー・フランス版」の中の、ファッションショーのあり方についての記事。 コロナ禍のロックダウン中に、ジョルジオ・アルマーニ氏が宣言した 今後のコレクションについて、ファッションショーについての決断を思い出します。 誰もが気になっている問題。。。 それを正面から取り上げているところには共感します。 「シルエット」の香水特集から。個人的にはマットな紙質と、読みやすく親しみやすいフォントが好きです。 高校生の頃、雑誌の発売日だけを心の支えに日々を送っていたくらい、雑誌を見るのが好きでした。 当時のお小遣いでは欲しい雑誌を全て買うことはできず(今でもできませんが)、 厳選して1冊か2冊だけ買って、ほかはとにもかくにも立ち読みしました。 あの頃の私にとって、雑誌の中には初めて見ること・知ることがたくさん詰まっていました。玉手箱のような存在? インターネットでいくらでも、無料で情報が手に入る現在、もし雑誌を買うならなんのために買うだろう、と考えます。 情報(内容)はもちろんですが、やはり手にとる喜びが重要になる気がします。 それは手触りだったり、身近に置いておきたいデザインだったり。 皆さまはどうでしょう? インテリアの情報こそ雑誌がいいですよね。 ページをめくりながら、自分で整えたテーブルでお茶を飲む。最高だと思います。 それではまた、 アビアントー! Keiko SUMINO-LEBLANC パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者 1997年からパリに移住。パリでの結婚・子育てを経てフリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。また、翻訳家として単行本も共著。
Paris通信 南仏のミモザとマーマレード
気づけばもう3月!すっかり暖かくなりました。 桜の開花ももうすぐ、と、東京の友人から聞きました。 私は今年の2月半ば、南仏カンヌ方面へミモザを見に行きました。 黄色くてふわふわのミモザは、日本でも人気だと思います。 ブランドジュリエのファンの皆さまの中にも、 「3月8日の国際女性デーに部屋に飾ったわ」という方がいらっしゃるかもしれません。 私は以前から、「2月のカンヌでミモザを見る」ことが夢でした。 実はもう30年も前、カンヌに語学留学した時に 「あれ全部ミモザだってよ」と教えてくれた日本人の友人の言葉を、私は信じなかったのです。 「ミモザって小さな花でしょう?あんな大木になるはずがない」と… そのくらいカンヌのミモザの木は大きく、高速道路沿いにずっと続いていました。 しかしなんとも無知で、人の話を聞かない自分であることか。反省しなければなりません。 今では、あの大木が全部ミモザだったことを知っています。 そして南仏の地中海沿いには130kmにわたって続く「ミモザ街道」と呼ばれる一帯があること、 モンドリユでは毎年2月に「ミモザ祭り」が開催されること、 タヌロンはミモザ畑で有名なこと、などなど、よく知っています。 インターネットで簡単に調べられますから。 というわけで、今年はタイミングを逃さず、2月半ばに南仏に出かけたというわけです。 ミモザは、桜のように見頃が短い花ではありませんが、やはり満開に合わせて出かけたいもの。 一応目安として、1月から3月にかけて花の時期を楽しめる、と言われています。 今回実際に現地に行って分かったのは、ミモザと一言で言ってもいろいろな種類があること。 花のふわふわ部分が大きいもの、玉のように引き締まっているもの、葉っぱが細かいもの、広めのもの、などなど。 なんでも1,000以上の品種があるそうです。そして、同じ庭にあっても開花の時期はまちまちであること。 しかも、ミモザは南仏コートダジュール原産ではなく、 1800年代に裕福な英国人がオーストラリアから持ち帰って、カンヌ付近に植えたことが始まりなのだそう。 そこからどんどんと発展した、いわば雑草・・・ ちなみに、ユーカリも同じ時期に、同じ経路で南仏コートダジュールにやってきて、 今ではこの土地の景観を作る代表的な植物になっています。 私がいつも泊めてもらっているドミニクさん宅にも、たくさんのミモザとユーカリの木があります。 この家はもともと、彼の奥様マガリさんのおばあちゃんの家でした。 マガリさんは子供の頃からこの庭を見てきたわけですが、 「私が小さかった頃、庭にミモザは1本もなかったのよ。庭全体が松の木とヒースに覆われていて、今見える花は1つもなかった。 私たちは何も植えずに、植物たちの方で勝手に生えてこうなったの」と教えてくれました。 勝手に生えたミモザの大木が、8本も! しかも、時々注意して若い芽を摘み取らないと、もっと増えてしまうそうです。 そんなに丈夫な木なら、私もパリのベランダで育ててみたいと思い、 摘み取って捨てる小さな苗木を2つマガリさんに持たせてもらいましたが・・・ 彼らは私に馴染んでくれるでしょうか。あまり自信がありません。 さて、そんなマガリさんとドミニクさん宅では、天気がいい日は冬でもテラスで食事をします。 2月半ばもこの通り、何度も外で朝食を食べました。 朝、昼、晩、寒くなければいつでも外のテーブルで。なんて贅沢な暮らしでしょう! しかも、ドミニクさんの手作りマーマレードが絶品なのです! 友人の家の庭からもいできたビターオレンジを、ドミニクさんが3日かけて仕上げます。 「マーマレード作りは、時間がない時にはやってはダメだよ」と、ドミニクさんからのアドバイスです! Dominique Fantino https://www.instagram.com/unchefalamer/ こうして写真を見ているだけでも心が満たされるよう。 そんな記憶をいつも、自分の胸の中に持っていたいですよね。 それではまた、 アビアントー! Keiko SUMINO-LEBLANC パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者 1997年からパリに移住。パリでの結婚・子育てを経てフリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。また、翻訳家として単行本も共著。
Paris通信 フランス国立図書館リシュリユー館
パリ2区にあるフランス国立図書館リシュリユー館が、10年間の工事を経て再オープンしたのは昨年2022年9月のこと。 ここがパブリックスペース、つまり無料で利用できる公共の場として公開されていることに、 フランスの文化的な底力と、社会福祉に取り組む覚悟を感じます。 ブランドジュリエ中川オーナーのYouTubeライブで、中の様子をご覧いただけます。まだのかた、ぜひご覧ください。 今回は、YouTubeライブでは説明しきれなかった情報を、パリ通信としてカバーしたいと思います。 【YouTubeライブはコチラ】 まずは、サル・オーヴァル(楕円の場)。 登録や予約を一切せずに、誰でも自由に利用できます。 無料Wi-Fiがあって、デスクもあって、こんな場所で仕事や勉強ができたら最高ですよね。 旅の途中にちょっと利用されてはいかがでしょう? ソファのコーナーも。 本棚から1冊自由に選んでここで広げてみるのもいいでしょう。 ちなみにこのサル・オーヴァルは、 9,000冊ものB D(ベーデーと呼ばれる、ハードカバーのフランス版マンガ)が集まっていることで有名です。 誰でも自由に利用できる場所として、あえてB Dを集めたのだそう。 そして物議を醸し出した階段がこちら。 元々存在した18世紀の大理石の階段を撤去して、空間の自由度を高めるために新しく作られたのですが、 「歴史を消し去るとは何事だ!」と各方面からバッシングを受けました。 でも、私はこれを初めて見た時に、歴史的建造物の価値をここまで高めたリノベーションの成功例はない、と感動しました。 支柱のない、リボンのような軽やかな階段。鋼とアルミニウムでできています。 手掛けた建築家のブリュノ・ゴダンさんに、拍手を送ります! 庭園は、ケ・ブランリ美術館の庭等を手掛けた造園家、ジル・クレマンさんの作です。 植物の成長を待って、5年後に完成するという庭の完成図を見ましたが、それはそれは緑豊かな夢の空間でした。 2027年、どんな庭が生まれるのか? 楽しみですね。 図書館の中にはカフェ(ローズベーカリー)や、美術館も併設されています。 次回のパリ滞在の際に、ちょっと立ち寄られてはいかがでしょう。 さて、リシュリユー館は、いわば旧フランス国立図書館。 新フランス国立図書館としてフルに機能しているのは、パリ13区にある通称フランソワ・ミッテラン国立図書館です。 建築家のドミニク・ペローさんの作品で、中庭は隠れた桜の名所でもあります。 こちらも誰でも無料で利用できますし、無料Wi-Fiもあります。 ルイ14世の地球儀と天球儀が展示されてもいるのですよ!無論、こちらもおすすめの場所です。建築としても見応え十分ですから! フランス国立図書館リシュリユー館 https://www.bnf.fr/fr/richelieu フランソワ・ミッテラン国立図書館 https://www.bnf.fr/fr それではまた、 アビアントー! Keiko SUMINO-LEBLANC パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者 1997年からパリに移住。パリでの結婚・子育てを経てフリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。また、翻訳家として単行本も共著。
Paris通信 Astier de Villatteショールームとメゾン・エ・オブジェ2023
2023年1月、今年もメゾン・エ・オブジェが開催されました。 もう説明の必要がないくらい有名なイベントですが、 あえて説明すると、メゾン・エ・オブジェはインテリアと雑貨の国際見本市。 インテリア好きにとっては、ぜひ一度足を運んでみたい大イベントです。 中川オーナーは、メゾン・エ・オブジェに通い続けること10年以上の大ベテラン。 ここ数年は、会場からインスタライブを行ったり、YouTubeの撮影をしたりと、発注以外も大変忙しそうです。 これもすべて、日本のインテリアファンの皆さまの為という思いは、そばにいるとよく伝わってきます。 そんな思いが込められたインスタライブのアーカイブを、ぜひチェックされますようお勧めいたします! ブランドジュリエが扱う人気ブランドの一つ、アスティエ・ド・ヴィラットは、 以前はメゾン・エ・オブジェに出展していましたが、 それをやめ、独自にショールームを展開するようになって久しいです。 パリ市内のショールームの様子を、少しだけご覧ください。 受付のコーナーは、いわば玄関です。 シャンデリアとスタンドタイプのランプは、アスティエ・ド・ヴィラットの人気商品ですね。 このシャンデリア、中川オーナーも買い付けたとのことですので、 ご興味のある方はぜひ、ブランドジュリエのショップをチェックしてください。 本物は写真よりもいっそうオーラがありますよ! そして玄関にはもちろん花を飾って。 「日本でもこういうアネモネがようやく手に入るようになったんです」と、中川オーナー。 アネモネは、多くの人にとってパリを連想させる花ではないでしょうか。マルシェにも必ずあります。 でもよくある青や赤ではなく、こういう深い色を選ぶ所がアスティエ・ド・ヴィラットという感じ。 凛とした印象の花器とも好相性です。 ショールームの中はお見せできませんが、お茶をいただいた後のテーブルの写真を。 コップ、コースター、角砂糖に至るまで、全てがアスティエ・ド・ヴィラットの美意識の世界! こんな生活がしたいものです!! 沢山のものは必要なくて、本当に自分の気に入ったもの、 自分を幸せにしてくれるものだけが、テーブルの上にあれば十分。 何度もご出席されている 中川オーナーに今回の展示会についてお聞きしました。 「アスティエの展示会は、新作のコンセプトや新しい試みを詳しくお伺い出来る貴重な機会です。 年2回のみお会い出来るデザイナーやスタッフの方々との久しぶりの再会も楽しみにして来ました❣️ 新作の画像などはお見せ出来ませんがとても素晴らしいアイテムが揃っていましたよ✨ また、嬉しいNEWSが3つも...!!! 1つ目は、工房が以前の倍ぐらいの大きさにパワーアップ!! 今後は入荷までの時期が大幅に早まるそうです💕」 「2つ目は、家具のオーダーが再開されました!! テーブルとチェアをお茶の際に使用させて頂きました😆 3つ目は、グラスの製作が再開されました🥂 待ち望まれていた方も多いのではないでしょうか? 洗練されたデザインは引き継ぎますが、強化ガラスとなり実用的に進化しました。こうご期待です」 新作の入荷が待ち遠しいですね。 ぜひブランドジュリエのショップでご覧くださいませ。 【Astier de Villatteはコチラ♪】 中川オーナーからのお話も頂いた所で せっかくなので、今回のメゾン・エ・オブジェで私がチェックしたことを2つ、ご紹介させてください。 パリ歩きインスタライブをお手伝いした時にも話しましたが、やはりエコロジーを意識したメーカーが多いと感じました。 家具の地産地消、天然素材、などなどです。その流れで、紙を使ったインテリアがいくつかあり、面白いなと思った次第。 例えばこちらのメーカーは、イベントや店内装飾に使う演出小道具・大道具を、全て紙で作っていました。 フランスのメーカーです。 こちらはイタリアのメーカーで、タピスリーをメインに展示していましたが、 本のページをアップサイクルした照明がとても素敵でした。 ぱっと見、ドライフラワーのような印象。面白いですよね。 タピスリーのような重量感のあるものと、紙製のシャンデリアという素材的にもアプローチ的にも軽やかなもの。 重さと軽さを組み合わせるバランスがまた、絶妙だと感じました。 それではまた、 アビアントー! 【Astier de Villatteはコチラ♪】 Keiko SUMINO-LEBLANC パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者 1997年からパリに移住。パリでの結婚・子育てを経てフリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。また、翻訳家として単行本も共著。
Paris通信 リッツ・パリのクリスマス2022
クリスマスといえばビュッシュ・ド・ノエル。 木の切り株を模したロールケーキのクリスマスケーキは、日本でもすっかり定番になっているそうですね。 毎年夏休みが明けてしばらくすると、 パリのジャーナリストたちは新作ビュッシュ・ド・ノエルの試食会招待で大忙しになります。 すぐに画像を公開していいメゾンもあれば、公開日を指定するところもありで、なかなか神経を使うところ。 リッツ・パリは、今年は12月に入ってから画像を公開することができました。 その試食会の様子と、2022年12月現在の様子を交えて、今回はリッツ・パリのクリスマスをお伝えします。 まず12月現在のリッツ・パリ。なんと、ヴァンドーム広場にシャレー・ド・ノエル(クリスマスの山小屋)が登場しています。 これはコロナ禍の2020年にはじまった、テイクアウトのサーヴィスが発祥なのです。 辛い出来事をバネにして好転させる、フランス人らしいアイデア精神ですね。 このシャレーで、今年はヴァン・ショー(ホットワイン)やシャンパンなどが楽しめる他に、 リッツ・パリのオリジナルグッズ購入も。 さあ、ホテルの中へ入りましょう! 玄関を入ってすぐのところにあるお迎え花のコーナーには、リッツの色、ブルーをつかった観覧車が飾られていました。 これは、リッツ・パリ専属フローリストの、アンヌ・ヴィッシェンさんの作品。 彼女のインスタアカウントに、制作過程の動画がアップされています。 フローリストの枠を超えて、こんなふうにオブジェまで手掛けられるとは! ミニチュアの街並みと一つになった、素敵なインスタレーションですね。 https://www.instagram.com/anne.vitchen/ その右隣、螺旋階段の脇には、毎年恒例の巨大クリスマスツリーが! 赤いガラスのオーナメントで飾られた、とびきりゴージャスでシックなクリスマスツリーです。 映画「ナルニア王国」を思い出すのはなぜだろう、と思い、 写真をよくよく見たところ、バックのゴブラン織のせいかもしれないと気づきました。 ゴブラン織のタピスリーを背に燦然と輝くクリスマスツリーは、リッツ・パリならでは! 廊下を進むと、右手に「サロン・プルースト」が現れます。リッツ・パリを愛した作家マルセル・プルースト。 ここは、彼にオマージュをささげ誕生したサロン・ド・テです。 名物はもちろん、プルーストと言えばのマドレーヌ。 ここのフランス流ティータイムは、ブラン・ド・ジュリエのファンの皆さんに強くお薦めしたいです。 なぜなら、リッツ・パリのシェフパティシエ、フランソワ・ペレさんのスイーツを、パラスの空間とサーヴィスで堪能できるから! インテリアや花が超一流であることは言うまでもありませんね。 フランソワ・ペレさんは、私が最も好きなパティシエの1人です。 奇をてらわない伝統的な焼き菓子を、ひとつひとつ丁寧に作る稀有なパティシエ。 今のご時世、誰もがインスタ映えを狙ったスイーツばかり作る中で、実直な仕事は貴重です。 かつ、パティスリーの美しさや独創性も見事。 では、フランソワ・ペレさんによる今年のクリスマスコレクションを、9月に行われた試食会の写真でお伝えいたしましょう。 リッツ・パリのビュッシュ・ド・ノエル2022は、ジンジャーマンクッキーを模したシナモン風味のスポンジケーキです。 長靴や雪だるまのモチーフが、可愛らしいですよね。 食べればスポンジケーキの繊細な食感と口溶けに、程よいコクと深みのヴァニラクリームが相まって、 これぞパラスホテルのスイーツ! 甘さの加減も完璧で、普通のケーキとは別の次元のものです。 何工程もある製造プロセスが、 フランソワ・ペレさんのインスタアカウントで紹介されていますので、よろしければご覧ください。 https://www.instagram.com/francoisperret/ フランソワ・ペレさんのクリスマスコレクションは、 先ほどの「サロン・プルースト」やレストラン「バー・ヴァンドーム」の他に、 コロナ禍以降誕生したケーキショップ「ル・コントワール」で味わうことができます。 「ル・コントワール」ではテイクアウトもできます。 パラスホテルの楽しみ方が、ちょっとカジュアルに、より広くなるのは嬉しいですね。 シーンに合わせて、利用する場所を選べるのですから。 次回のパリ滞在のご参考になればと思います! それではまた、 アビアントー! 【クリスマスアイテムはコチラ♪】 Keiko SUMINO-LEBLANC パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者 1997年からパリに移住。パリでの結婚・子育てを経てフリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。また、翻訳家として単行本も共著。
Paris通信 段ボールで出来たクリスマスツリー?!
今年もクリスマスシーズン到来! 11月半ばを過ぎると、街のウィンドーにクリスマス飾りがちらほらし始めるのは、日本も同じことと思います。 パリの場合は、特にオペラ座裏のオスマン通りにある百貨店、 ギャラリーラファイエットとプランタンにクリスマス飾りが登場すると、いよいよ年の瀬という感じ。 今年のギャラリーラファイエットのクリスマスツリーはどんなだろう?と、楽しみにしている人は少なくなりません。 2022年は、コロナ禍から続くあらゆる原材料不足に加え、ウクライナの戦争、それに伴うエネルギー問題、環境破壊と気候変動・・・緊急を要する問題の数々を、日常的に意識せざるを得ない1年でした。 ヨーロッパの深刻なエネルギー問題は、日本でも多少ニュースになったかもしれません。 10月、フランスのガソリンスタンドはガソリン不足で閉鎖するところが相次ぎ、 営業しているガソリンスタンドには給油を待つ車が大渋滞、という、信じられない事態になりました。 11月に入ると調整されましたが・・・ こういった現状を受け、パリ市は現在、歴史的建造物のライトアップを22時以降消灯しています。 なんとエッフェル塔も23時45分に消灯、名物のキラキラの照明は23時が最終回です。 ストラスブールの大学は、暖房費を抑えるためにクリスマス休暇を長くする、など、省エネは本当に身近で深刻な問題。 そんな中で、クリスマスをいかに祝うか、パリの百貨店はどこも悩んだはずです。 年に一度の、一番大切なイベントだからといって、 あまりにも華やか過ぎるのは時勢にそぐいませんし、反対に、地味になるのも寂しいです。 ただでさえも社会問題の多い昨今なのですから、せめてクリスマスくらいは幸せムードに包まれたいもの。 そこで、ギャラリーラファイエットはどんなクリスマスツリーを作ったと思いますか? そうです、段ボールでできたツリーが、歴史的建造物のガラス天井の下にお目見えしました! 段ボール製のクリスマスツリーは、実はここ数年の隠れたトレンド。 毎年クリスマスツリーのためにモミの切る(つまり、そのために豊かな森の木を伐採して、モミの木を栽培する)ことに 反対する人たちが、選んでいるソリューションの一つなのです。 畳んである段ボールを開くと、立体的なクリスマスツリーの形に広がる、というつくり。 でもやっぱり、本物のモミの木に比べると地味なのが辛いところ・・・ そんな中、フランス最大の百貨店ギャラリーラファイエットが、段ボール製のクリスマスツリーを採用するとは! しかも全然寂しくも地味でもありません。 目に鮮やかなグリーンが、なんとも元気でワクワクしませんか? アートディレクターさん、いい仕事しましたね! 厳しい時だからこそ知恵を使うのは、フランス人の得意技だと思います。 そんな彼らのエスプリに学んで、さて、今年のクリスマスツリーはどんな飾りにしましょう。 今年のギャラリーラファイエットのクリスマスは、「プラネット・サパン」(モミの木の惑星)がテーマです。 やっぱりクリスマスは子供のたちのもの! その基本を大切に。 夜のイルミネーションは、やっぱり気持ちが高揚します。 本当に、年の瀬、という感じ。 クリスマスが明けた1月、パリ市の公園のあちこちに、こんなふうにモミの木の回収場所が登場します。 集まった樅木は細かく砕いて、パリ市の公園のガーデニングに再利用されます。 砕いたモミの木で花壇を覆い、保温、保湿、そして雑草対策ですね。 周辺が爽やかなモミの木の香りに包まれるのもまた、メリットの一つだと個人的に感じています。 そんなパリの冬。 みな様もどうぞいい年越しを。 それではまた、 アビアントー! 【クリスマスアイテムはコチラ♪】 Keiko SUMINO-LEBLANC パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者 1997年からパリに移住。パリでの結婚・子育てを経てフリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。また、翻訳家として単行本も共著。