花のある暮らし、いいですよね。
「花を買うのはお金の余裕じゃなくて、心の余裕」というような話が、
昔読んだ吉本ばななさんの小説にあり、心に残っています。
花好きで知られるパリの人々は、
今どのように花と付き合っているのでしょう? 私は2つの(または3つの)タイプがある、と見ています。

まず、タイプ1は「ビオ派」とでも呼びたいナチュラル志向、環境を考慮したスタイルです。
食べ物や生活用品、スキンケアに、オーガニックのものを選ぶ人が増えました。それが花にも現れています。
今年6月、雑誌エル主催のイベント「ELLE GREEN」にて、パリ11区の花屋さんデジレによるアトリエに参加しました。
地産地消の季節の花を厳選し、販売しているデジレ創業者の話を聞いていて、これは全く食べ物と同じだと痛感。
ケニアで集中栽培されるバラが、オランダの花市場に届き、
そこからニューヨークなど世界中の都市へ販売されている現状に、
「他のやり方で花と付き合えないものか?」と行動を起こしたのがデジレの始まりだったと言います。
彼女たちのような取り組みをするフローリストは、
少しずつですが着実に増えていて、 この日私も、すっかりデジレの取り組みに魅了されました。
地産地消の季節の花は、ふんわりとエアリーにいけて。
なんとこのデジレのアトリエで、パリ日本文化会館の生け花教室のことが話題になったのです!
花を1本1本観察して、選んで、バランスを見ながらどこにどういけるか決める。
そうすればたくさんの花は必要ないのですよ、と。
温故知新ではないですが、パリ最先端の花アレンジのアトリエで、生け花のフィロソフィーを聞いたことは新鮮でした!
DÉSIRÉE
https://desireefleurs.fr
生け花、といえば、IKEBANART(イケバナート)という花屋さんが、サンマルタン運河のほとりにあります。
小さなお店ですが、奥には広いアトリエがあり、苔玉レッスンやテラリウムのレッスンなどを開催するとのこと。
苔玉!? でも予想に反し、
ここの経営者はフランス人夫妻です。 夫が苔玉やテラリウムなどのグリーンを、
妻が生け花を担当していて、池坊の師範だと伺いました。
パリジェンヌが集まる生け花レッスン、いつか私も参加したいです。

イケバナートは小さなブーケをたくさん販売していて、
購入しやすい10ユーロからありました。 これなら毎日の暮らしに花を取り入れやすいですね。
IKEBANART
https://ikebanart.com
話を戻して、先ほどの「2つあるタイプ」のうちのもう1つ。
タイプ2は、「クラシック派」または「王道派」、でしょうか。
パリのフローリスト、と聞いて
私たちが想像する理想を具現化しているスタイルです。
例えば、MOF(フランス最優秀職人)のジュリアン・フローリストは、店の外も中も、秘密の花園の舞台セットのよう!

2020年に雑誌「ボンシック」のために撮影した写真ですが、この時から今トレンドになっている草花系の花が充実していました。
そして、日本ではあまり見ないグラマラスな菊の花もあれば、
重厚な深い色の花から可憐な淡い色の花まである、幅広いラインナップも魅力です。
これだけバラエティ豊かに取り揃えているのに、
全体に絶妙な統一感があるところも流石だと思いました。
JulianFleuriste
http://julian-fleuriste.com/fleuriste-paris/
「ビオ派」があって、「王道派」があったら、
残るもう1つは何か? 残念ながらそれは、安価なボリュームゾーンです。
やっぱり、買いやすい値段は
誰にとっても魅力ではありますから…
しかし、できればそこは避けたいと思い、
先日ご近所の花屋さんで購入したのがこちら。 「花は15ユーロ」と決めている私……
とても小さなブーケになりました。 でも、お気に入りの花を
ばら売りで選ぶのは、なかなかいいものだと思います。
あらかじめブーケで売られている方が見栄えもいいし、
結局はお得なのでしょうが、
自分の予算に無理したくはありません。
ちょうど私と同じタイミングで、
マダムが白いばらを1本ずつ、合計2本購入していました。
「小さな贈り物だけれど、喜んでもらえたら嬉しいわ」と、
お店の方と話しながら。
どんなに小さくても、
花をもらって嬉しくない人はいないですよね。
とても気の利いた「気持ち」の贈り方だと思いました。
で、私の方は15ユーロのブーケを、鏡の前に飾りました。
こうすれば2倍に見えるかな?
ちなみに、なぜ自分の花予算を15ユーロに決めたかというと、それはベルギーで15ユーロのブーケを買った経験があるからです。
彼の地では花がパリよりさらに身近で、15ユーロでとても可愛いブーケが買えるのです!
私の娘がベルギーの大学に進学した際に、私もちょくちょく遊びに行っていて、クリスマスに買ったブーケがこちら。 15ユーロでした。
この時に、「パリに帰っても花を買おう。15ユーロと決めておけば買いやすいから」と心に誓った(?)のでした。
こちらは、今年の夏のアントワープのマルシェの花スタンドです。
15ユーロでこのボリューム。さすがベルギー!
みなさんはどんなふうに花と付き合っていますか?
パリジェンヌが生け花に学びエアリーなブーケを作っている、ということ、面白いですよね。
それではまた、 アビアントー!
【花器はコチラ♪】
Keiko SUMINO-LEBLANC パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者 1997年からパリに移住。
パリでの結婚・子育てを経て
フリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、
フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。また、翻訳家として単行本も共著。