ブランドジュリエ Paris 通信 シャンゼリゼ展
世界で最も美しい大通りのすべてを知る! シャンゼリゼ展開催中です パリ市都市開発の歴史を紹介しているパヴィヨン・ド・ラルスナルにて、 2020年5月10日まで『シャンゼリゼ展』が開催されています。 シャンゼリゼ大通りといえば、誰もが知っている「世界で最も美しい大通り」。 広い歩道と、その両脇を埋め尽くす高級ブティックやレストラン、そしてナイトクラブのリド! 毎日平均約10万人が集まるという統計は、 「世界で最も美しい大通り」の名に恥じない人気を証明しています。 が、パリっ子たちにはやや不人気という統計もあり・・・ なんと、大勢の通行人のうち、わずか5%がパリジャンなのだそう。 「観光客が多すぎる」「車が多すぎる」 「公害や騒音が多すぎる」「古くさいイメージ」などがその理由。なんとも残念です。 そんなシャンゼリゼ大通りをもう一度美しく蘇らせるため、 シャンゼリゼ委員会が立ち上がりました。 建築家であり都市開発専門家のフィリップ・シアンバレッタ氏とともに、 2030年をめどにシャンゼリゼ大通りを生まれ変えさせるというのです! その構想の紹介と、シャンゼリゼ大通りの歴史を紹介するのが、この『シャンゼリゼ展』です。 パヴィヨン・ド・ラルスナルの2階スペースが会場。 まずはシャンゼリゼ大通りの歴史を紹介。 1664年、ヴェルサイユ宮殿の造園家ルノートルが構想し、1709年に誕生したシャンゼリゼ大通り。 19世紀には様々な博覧会も開催され、それらが映像でもって紹介されています。 時にはデモ行進の舞台になったり、またW杯優勝など国民全員が祝いあう場になったり。 当時のニュース映像が流れ、来場者が熱心に見入っていました。 シャンゼリゼ大通りは、やっぱり、フランス人にとっても特別な存在。 こんな大通りは、フランスじゅう探しても他にないでしょう。 では、2030年、シャンゼリゼ大通りはどう生まれ変わるのか? その答えがこちら! 緑がいっぱいで、歩行者が優先された、新しいシャンゼリゼ大通り。 車専用のスペースを52%削減し、 石畳を騒音を抑える素材に変え、1332本の木を植樹する他、地下も様々な変更が行われる計画です。 現在は、降ればそのままセーヌ川に流れ込むよう設計されている雨水の水はけも、 将来は地面に染み込ませ、街路樹に保水させるような作りに変えてゆくそうです。エコですね。 こうすることで、セーヌ川の水質向上も実現できます。 なんでも、セーヌ川の水質汚染の多くの部分は、都心部から流れ込む汚れた雨水が原因とのこと。 きれいになったセーヌ川で泳ぐ! そんな日も近いかもしれません。 パリの真ん中に出現する緑のオアシス。それが、シャンゼリゼ2030のイメージです。 ハイテク技術に支えられた未来のオアシスの登場が、今から楽しみでなりません。 さて、せっかくですから、パヴィヨン・ド・ラルスナルの常設展もごらんください。 毎週土日15時からは、ガイド付き見学(フランス語)があります。こちらも無料。 中世のコーナーから始まって現代のコーナーまで、 パリという都市がどのように発展してきたのかを、資料と写真で見てゆくことができます。 都市開発や建築に興味のある方には、特におすすめです。 現代のコーナーには、日本の建築家が手がけた建築物がたくさん見られます。 坂茂氏による、ラ・セーヌ・ミュージカル。 改装中のサマリテーヌは、SANAAが指揮。 2023年完成予定のミルアルブル(千本の木)。 住宅、託児所、商業空間などを備えた総合施設は、 藤本壮介建築事務所とNabak Rachdi, Oxo Architectesによる共同プロジェクト。 こちらは日本人建築のプロジェクトではではありませんが、なんだと思いますか? 2024年に生まれ変わる、モンパルナスタワーの完成イメージです! やはり光と緑がいっぱい! 最後に、ミュージアムショップを。 セレクションが頻繁に変わるので、いつ見に行っても新鮮な発見があります。おすすめです! 入場無料で、ガイド付き見学も無料、座れるスペースもあり、トイレもある。 パヴィヨン・ド・ラルスナルはあまり知られていませんが、とても贅沢な空間だと思います。 マレ地区散策のついでに、立ち寄られては? Pavillon de l’Arsenal 21, Bld. Morland 75004 Paris https://www.pavillon-arsenal.com/ 11時〜19時 月曜休館 それではまた、 ア・ビアン・トー♪ Keiko SUMINO-LEBLANC パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者 1997年からパリに移住。パリでの結婚・子育てを経てフリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。 食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。 また、翻訳家として単行本も共著。 keiko's paris journal <パリ通信 - KSL> パリのライフスタイルを更新中