ブランドジュリエ paris通信 パリの有名フロリスト ステファン・シャペル
パリのフローリスト、ステファン・シャペルのお店へ。 近くへ行ったついでに、ちょっと遠回りをしても見ておきたい場所ってありますよね。 私にとってフローリスト「ステファン・シャペル」のお店は、そんな場所の一つです。 ルーブル美術館からそう遠くないリシュリユー通り、パレロワイヤルのすぐお隣にあるので、 パリ歩きのついでに立ち寄られた方も多いかもしれません。 ステファン・シャペルさんを知ったのは、ルノートルのプレス会。 夢のようなテーブルアレンジを手掛けていたのが彼でした。 ガーリーパワー炸裂!とでも表現したくなるような、 まるでソフィア・コッポラ監督作品「マリーアントワネット」そのもののお花たちを見て、 これを男性フローリストが作成したと知ったときは本当に仰天したものです。 その後、ピエール・フレイさん(https://www.blancdejuillet.jp/paris-blog/3519/) の住まいを撮影させてもらった時も、やはりステファン・シャペルさんが花を担当していて、 ますます彼の仕事に興味を寄せることになりました。 ステファン・シャペルさんのお花は、 「ふんだんに」とか「存分に」という言葉がぴったりくると思います。 圧倒的なボリューム感でもって、その花自身の持ち味をあらためて堪能させてくれるような・・・ 初秋のある日に立ち寄った「ステファン・シャペル」のお店は、こんな感じでした! いつも楽しみな店先の演出は、このときはビバーナムとヒースがメイン。 日本のもみじ、数年前からパリのガーデニング界で人気なのですが、 こちらは笹の一種と、ススキですね。和の風情とはまた違った趣があります。 「枯れた」感じではなく、「しっとり濃密な」感じ? お店の中へ入ってみましょう。 栗がありますね。 紫陽花やトルコキキョウ、バラなどが、色ごとにグラデーションで陳列されています。 枝物や葉物をたっぷりと使うアレンジ、素敵ですよね。 ラウンドのブーケはクラシックな安定感があっていいですが、 枝物や葉物が入るブーケはフォルムがイレギュラーになって、ポエティックだと感じます。 なんと、ブドウの枝も! 贅沢〜! ドライフラワーにもご注目。一昨年頃からの流行です。 ドライフラワーは、ユーカリの葉と同じで、 マットな質感がインスタグラマーたちのセンスにフィットした模様。 常々感じている事なのですが、花はパリジャン・パリジェンヌにとって (というか、フランス人、ヨーロッパ人にとって)、インテリアの一部なのです。 花道の伝統のある日本では、花はフラワーアレンジメントで、すなわち習い事、 というイメージがあるかもしれません。 床の間に飾ったり、習い事で学んだ作品だったり、それだけを単体で鑑賞する、主役的な存在。 それに比べると、パリの花はもっと暮らしに溶け込んだ立ち位置で、主役はあくまでも人間です。 この感覚、うまく伝わるでしょうか・・・ ドライフラワーが流行ったことからも、インテリアとしての花の役割が見えてくると思うのです。 さてこちら、グリーンだけで見せるコーナーも、ワイルドでいいですね! 植物のいい「気」を頂戴する気分。 ショップの奥にあるアトリエでは、フローリストのお二人が忙しく作業をしていました。 ホテルやレストランを顧客に抱える「ステファン・シャペル」ですから、 コロナ禍の影響は大きいはず。 と同時に、家で過ごす時間が長くなった人々は、暮らしの中の花の存在がいかに重要かを再認識してもいます。 フローリストさんによると、個人のお客様からの注文は、今も安定しているとのことでした。 今年3月から5月まで続いた外出制限中、私も新鮮な切り花を恋しく思い出していた一人です。 そして今また、いつ何時、あの時のように家に閉じこもることになるのか? 楽観できない状況です。 あの時のことを忘れずに、家の中を整えておかねば! 最後におまけとして、ステファン・シャペル周辺の様子を。 お向かいはメゾン・マルジェラのショップ。メンズです。 すぐそばに、モリエールの像もあります。コメディー・フランセーズのエリアですので! ちなみに、アスティエ・ド・ヴィラットの展示会会場も、このすぐそばなのですよ。 それではまた、アビアントー! Keiko SUMINO-LEBLANC パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者 1997年からパリに移住。パリでの結婚・子育てを経てフリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。また、翻訳家として単行本も共著。 keiko's paris journal <パリ通信 - KSL> パリのライフスタイルを更新中