ブランドジュリエ paris通信 外出制限解除後の、パリのマルシェへ
外出制限解除後の、パリのマルシェへ! 5月11日、2カ月間に渡ったフランスの外出制限が、ついに解除されました! まだ移動の制約は多く、レストランや映画館も休業したままですが、 外に出るたびに許可証を携帯する必要はもうありません! 解除後初めての週末だった5月16、17日の土日は、 パリのサンマルタン運河沿いやヴァンセンヌの森など、大勢の人で賑わったようです。 行政サイドとしては、もうちょっと自粛してもらいたいところでしょうが・・・仕方ありません。 自由を愛するフランス人がよく辛抱した、と、私ですら思います。 私はというと、友達と会うようなお出かけはせず、いつものマルシェへ行きました。 毎週日曜日の朝、野菜や魚を買っていたマルシェへ行くのも、実に2カ月ぶり。 蜂蜜屋さん、ハーブ屋さん、花屋さん、チーズ屋さん・・・スタンドのみんなは、どうしているかな・・・ 快晴の空の元、いつものマルシェに到着すると、あら? なんだか様子が違います。 通常は、歩道の両サイドにスタンドが並び、その中央を買い物客が歩いているのですが、 よく見るとスタンドが向かい合って並んでいません。 左側に並ぶスタンドで買い物をする人はいつも通り中央を歩き、 右側に並ぶスタンドで買い物をする人は車道(とは言っても車は通りません)を歩く、新しい動線になっていました! なるほど、こうやって買い物客が密集するのを防いでいるわけです。よく考えられています! 加えて、並んでいる商品を感染から守るために、スタンドにラップを張り巡らしたプロテクションも。 スタンドに立つ販売の人も、マスク姿が多かったです。 外出制限中、「解除後の世界がどうなるのかな」と、想像しようとしても、全くノーアイデアでした。 つかみどころがない、というか、うまくイメージできなかったのです。 でも、私がノーアイデアでぼんやりしている間に、こうやって具体的な策を練っていた人達がいたわけです。 そう思うと元気が出ますし、とても励まされます。 もう1つ、励まされたことがあります。それは、マルシェ広場の花屋さん。 花屋は政府が認める必要最低限に含まれず、外出制限は中営業ができませんでした。そこでこの花屋さん、なんとオーガニック八百屋さんに転身し、営業を続けていたのです。 たくましさと行動力、柔軟なアイデアに、こちらまでポジティブになりました。 しかも、オーガニック八百屋として、とても繁盛したのです。行動力の勝利です! 外出制限が解除され、この花屋さんは八百屋として営業しているのだろうか? それとも以前のように、花屋に戻ったのだろうか?気になって見にいくと、なんと花屋兼八百屋として営業再開しているではありませんか! 新しいビジネスの誕生です! 「仕事内容が2倍になってお客さんも2倍になった分、店のスタッフを増やしたの」と、お店の方。 つまり、以前にもまして繁盛している、というわけです。素晴らしいことですね! 「フランスには石油はないが、アイデアはある」 オイルショックを受けてサマータイム(夏時間)を導入した際の、ジスカーデスタン大統領の言葉です。フランス人気質を実によく表現していて、私はこの言葉が大好きです。困難に直面した時こそ、その人の持ち味が発揮されるのかもしれません。 花屋兼八百屋さんには、そんなフランス人気質そのものを見る思いでした。 日本の緊急事態宣言も、解除されたと聞いています。まだまだ先は長そうですが、 日本人もフランス人も、機転を利かせてポジティブに、この難局を乗り越えらますように。 どうぞみなさま、お元気で。 それではまた、アビアントー! Keiko SUMINO-LEBLANC パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者 1997年からパリに移住。パリでの結婚・子育てを経てフリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。 食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。 また、翻訳家として単行本も共著。 keiko's paris journal <パリ通信 - KSL> パリのライフスタイルを更新中