ブランドジュリエ paris通信 おうち時間2
外出制限で感じる、花と緑の大切さ この原稿を書いている本日5月1日は、メーデー。 フランスでは祭日です。 毎年この日になると、路上にはすずらん売りのスタンドがあふれます。 5月1日は小さなブーケや鉢植えのすずらんを買って、自宅に飾ったり、親しい人に贈ったり。 そんな習慣がフランスにあることを、ご存知の方も多いかもしれません。 でも残念ながら今年は、コロナウイルス対策の外出制限真っ只中です。 例年通りののどかな風景を、街で見かける事はないでしょう。 しかしそうは言っても、フランスの人々の生活から、5月1日のすずらんが消えることはありませんでした。 デリバリーサービスで友人に鉢植えを贈る人や、自分用にあらかじめ予約しておいて、 当日ピックアップ(テイクアウト風に)する人が多いのです。 私も先日ワイン屋さんへ行った際に、店先にスズランの予約受付のお知らせを見ました。 花屋さんは、フランス政府が認める「必要最低限の店」には含まれないため、現在休業中です。 それでも5月1日には、みんなの暮らしにスズランを届けたい! と、工夫を凝らしていたわけです。 前回のブログで、インテリアの大切さ、花や緑の大切さを書きました。 外出制限というこれまで体験したことのない事態を経験し、 必要最低限の暮らしの中で、いかに心の潤いが大切なのかを日々、痛感しています。 今、スズランの可憐な姿と華やかな香りに癒されている人たちが、きっと大勢、このフランス全土にいるはずです。 我が家には、先週届いた季節の花のブーケが、今も美しく咲いています。 日仏フローリストユニットの「アトリエカーミン」が、この外出制限中に始めたデリバリーサービスを利用しました。 (届いた花が、毎日表情を変えながら長く楽しませてくれています。 シャクヤクは、鮮やかなフランボワーズ色から優しい象牙色に変わりました。) 送料込みの40ユーロ(約5500円)で、パリ近郊で栽培される季節の花のブーケを届けてもらえると知り、すぐに利用しました。 新鮮な切り花の香りが、日当たりのない30平米の我が家の気を、一瞬でみずみずしくフレッシュに変えてくれました! こういう時だからこそ、花を買って、本当に良かったです。 みなさんは、どんな毎日をお過ごしですか? 日本の緊急事態宣言はフランスのようには厳しくないとは言え、自粛を強いられ、気分が塞がりがちかも知れません。 庭やバルコニーのある方は、せっかくなのでガーデニングをしたり、テラス生活を楽しんだりされてはいかがでしょう。 ちなみに、フランスの調査機関のデータによると、現在フランスで、 庭もバルコニーも無い住まいで外出制限をしている人は、全体の13%だそうです。案外少ないですね。 庭もバルコニーも無い、私と同じ環境の方は、小さなスズランの鉢植えを一つ、テーブルの上に飾っては? 気分は5月のフランス! そんな力が、植物にはありますね。 どうかみなさん、御元気で。 この現状を出来るだけいい状態で乗り越えましょう。 それではまた、 アビアントー! Keiko SUMINO-LEBLANC パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者 1997年からパリに移住。 パリでの結婚・子育てを経てフリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。 食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、 フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。 また、翻訳家として単行本も共著。 keiko's paris journal <パリ通信 - KSL> パリのライフスタイルを更新中